頭痛や吐き気を引き起こす場合も

柔軟剤ブームの陰で“香害”の恐怖

2013.11.21 THU


日本ではほとんどの人が良い香りだと感じる鰹節やほうじ茶の匂いが、西欧人にとっては不快、という研究結果も イラスト/沼田 健
国民生活センターが先日、柔軟仕上げ剤の香りに関する相談が急増していると発表した。問い合わせ事例として、頭痛や吐き気を引き起こす「化学物質過敏症」に言及するケースも紹介されている。

「そうした苦情が顕在化したのは、香料を含む柔軟剤や整髪料などがブームとなり、使用者が増えたことが一因でしょう。毎日同じ香りを身につけている使用者は自分の匂いに慣れ、使う量が増えてしまいがちなので、気付かぬうちに過度な“臭い”になってしまっているのでは? 正しい使用量を守れば、基本的には問題ないはずですよ」

と、教えてくれたのは、香りや嗅覚の研究をしている文京学院大学の小林剛史教授。嗅覚は生理的な影響を及ぼすこともあり、人によっては自分の嫌いな香りをキャッチすると冷や汗が出たり、血圧が上がったりするケースもあるのだそう。また、“不快な臭い”だと感じることで血中にストレスホルモンが分泌され、その状態が長く続けば体調不良を引き起こす可能性も。化学物質過敏症などでなくとも、本人にとって嫌な臭いを嗅ぐことは、精神的にも肉体的にもマイナスのようだ。では、一体どうすればそんな事態を防げるのだろうか?

「香りに対する快・不快は本人の記憶や経験、文化差によるところが大きく、一概に嫌われやすい香りを予測することはできません。自分が加害者にならないためには、柔軟剤でも香水でも適量を守って使うこと。また、日本では欧米ほど香りを身にまとう文化が定着していないので、そもそも人工的な香りに抵抗がある人も少なくない、ということを心に留めておきましょう」

いくら自分の大好きな“匂い”でも、人によっては“臭い”と感じることもある。周囲を不快にさせないためにも、マナーを守って香りを身につけたいものですね。
(菅原さくら/アバンギャルド)


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