都心におしゃれな市場出現!?

進化系野菜直売所が人気のヒミツ

2013.12.01 SUN


白いナスに黒い大根、紫のカリフラワーに赤や黄色の軸をしたホウレンソウの仲間……。青空の下にはカラフルなテントが並び、見たこともない野菜がずらりと並んでいる。会場によっては、焼たてパンや、土地でとれたフルーツを使ったスイーツも登場。ときには、こだわり食材を使った料理が楽しめるキッチンカーが出店し、一流シェフとのコラボイベントも開催される。今までの野菜直売所のイメージを覆すこの光景は、今話題の「マルシェ・ジャポン」。東京の六本木や青山、渋谷をはじめ、全国8都市で行われている、都市住民を対象にした市場なのです。

野菜直売所といえば地方の無人販売所など小規模で地元の人向けが多かったのですが、近年、どうやら大きな変化が起こっている模様。「マルシェ・ジャポン」の他にも、道の駅などに併設された直売コーナーは常に観光客で大賑わい。さらに、茨城県つくば市の農産物直売所「みずほの村市場」に至っては、一般的な小売価格より高いにもかかわらず県内外から人が押し寄せているといいます。

「まず何より、さまざまな野菜や果物が並んでいるという多様性と味のよさが人を惹きつけているんだと思います。そして、都市型のマルシェに限っていえば、本場フランスのマルシェや諸外国のファーマーズマーケットから連想されるおしゃれな“マルシェ感”も手伝っているかもしれません」

と農業コンサルタントでマルシェ・ジャポンを運営する事業者のひとつ「ハピ・マルシェ」立ち上げメンバーの中村敏樹さん。でも、味のよさってなぜ違いがでるんですか?

「驚くかもしれませんが、今までの農業には“おいしさ”を目的に生産するという意識がほとんどなかったんですよ。一般的な流通経路にのせようと思うと、小売店の効率が優先されますから、形や大きさがそろっており、継続的に大量供給できるものを作らざるを得ない。これっておいしさとは何の関係もないのです。おいしさを求める場合に一番大切なのは旬。そして、旬のものだけを出荷しようと思うと、自然に多品種少量生産になりバラエティが生まれてくる。また、無理に季節を外して作らなくていいから農薬も少なくて済んですよ。直売ならそういう展開ができるんです」

ほかにスーパーなど従来型の店舗との違いってありますか?

「消費者と生産者の距離がぐっと近づくということですね。ただ野菜を売買するだけでなく、珍しい野菜の特徴や食べ方の情報なども直接やりとりできる。これはお客さんにとっても楽しみがありますよね。さらに、生産者にとって一番の違いは値決めができること。これも意外に知られていませんが、一般的な流通では価格の決定に生産者は一切かかわれない。原価や努力とは無関係に小売と市場の間の需給だけで決まってしまうのです。値決めができるようになれば、自分たちの努力を価格に反映できるんですよ」

なるほど、それなら農家の方もよいものを作ろうという気になりそうですね。なにはともあれ、おいしくて楽しいのが待っているんだったら、とにかく一度、行ってみるとしますか。
(静浩太/サグレス)

※この記事は2010年06月に取材・掲載した記事です

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