今や「老人ホーム」だけじゃない

高齢者施設・住まいに変化の兆し

2014.01.17 FRI

終の住処はどこにある――? R25の若い読者には縁遠い話かもしれませんが、いま高齢者を取り巻く「住まい」に地殻変動が起こっています。

これまで、自宅で自立した生活を送るのが困難な高齢者は、特別養護老人ホームや有料老人ホーム、あるいは病院などを、自宅代わりの“終の住処”として利用するのが一般的でした。こうした施設は、介護保険が適用されるため、高齢者としても負担が少なく、利用しやすい場所でしたが、高齢者人口の増加が次第に介護保険の財政を圧迫。なんとか負担を減らしたい行政は「施設から住まいへ」の大合唱のもと、介護付き有料老人ホームの新規開設の歯止めや、介護を施す病院のベッド数の削減を打ち出したのです。

そこで、これらの施設や住まいに替わる高齢者の受け皿が誕生し始めています。たとえば「サービス付き高齢者向け住宅」。名前だけ聞いても、まったくどんな住まいか想像つかないでしょうが、一見すると普通のマンション。でも元気なうちに移り住んで、仮に介護が必要になっても、そのまま住み続けながら介護サービスを受けられるという、これまであるようでなかった、新しい“終の住処”として注目を集めています。

それから、少し趣が異なりますが「小規模多機能型居宅介護」。漢字ばかりで頭が痛くなりそうなネーミングですが、これは高齢者の住まいというより、自宅から通って介護サービスを受ける“地域の拠点”のようなものです。マンションの一室や民家、学校を改装したものなど、形態は様々ですが、この拠点を中心に地域の高齢者が集まり、お互いに支え合う。こうした暮らしが、今後の高齢社会のモデルの一つとして注目されています。

同居が難しければ「老人ホーム」へ、という時代は終わり。R25世代の読者も、そろそろ親の介護について考える時期。「まだ先の話」ではないのかもしれません。

※この記事は2012年06月に取材・掲載した記事です

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