交通事故死よりも多い!

若年層も注意!浴室ヒートショック

2014.02.02 SUN


暖房で暖められた部屋と寒い浴室の温度差は、実に20度以上。入浴中の急死の約50%が12~2月の3カ月間に起こるといわれている
寒さがこたえるこの時期、気持ちのいいはずの入浴時に突然発作を起こしたり、湯船で溺死したりする高齢者が増えるそうです。その原因は多々あるものの、特に気をつけたいのが「ヒートショック」という現象です。なんと室内における高齢者の死因の4分の1にも上るのだとか。しかもこの現象、実は20~30代も無関係ではないようです。いったいどんなものなのか、ヒートショックに詳しいさかい医院の堺先生に話をうかがいました。

「ヒートショックというのは、急な温度の変化により起こる体調不良のこと。人間の体は温度の変化に合わせて体温を調節するために、血管を縮めたり、広げたりして血圧や脈拍を変化させますが、それがあまりに急激だと体がついていけません。例えば冬に暖房の効いた部屋から移動して、寒い浴室で裸になることで血圧が急激に上がり、上がった血圧が湯船につかることで急激に下がる…といった時にヒートショックは起こりやすいんです。特に高血圧の高齢者などの場合、心筋梗塞や脳梗塞につながることも多いですね。入浴中に急死する人の数はなんと交通事故死より多く、年間1万人を超えるといわれているんですよ」

これはまた、なんともショッキングな数字です。でも、実際のところ一瞬ブルっと震えることはあっても、それが死につながるというのはR25世代にはいまいちピンと来ないのですが、若い人で特に気をつけた方がよいのはどんな人でしょうか?

「ヒートショック自体は軽いものを含めれば珍しいものではなく、かならずしも重篤な状況に陥るとは限りません。ただ、血圧が高かったり持病があったり、肥満やメタボリックシンドロームの傾向がある人は、たとえ若くても動脈硬化が進んでいる可能性が高く、ヒートショックが心筋梗塞や脳塞栓(のうそくせん)の引き金となるため注意が必要なのです。

どうすれば防ぐことができるのでしょうか。

「暖房の効いた暖かい部屋と、寒いままの浴室の温度差を少なくすることがポイントです。一番簡単な方法は、服を脱ぐ前に浴室のシャワーを出しっぱなしにしておき、浴室を暖めておくことです。足の裏は、ダイレクトに冷たさを感じる部分ですが、シャワーを流しておけば冷たい床も暖まります。湯船にお湯を張るなら、ふたを開けっ放しにしておくのもいい方法ですよ。また、お酒を飲んだ直後は血圧が変化しやすいので、入浴を控えましょう」

浴室暖房のついた賃貸マンションも増えていますが、お湯だけで浴室を暖められるのも手軽な方法でうれしいですね。ヒートショックの恐ろしいところは、何の前触れもなく突然起こること。ヒートショックの知識があるのとないのとでは、どうしてもその危険性に対して“温度差”があるかもしれませんが、理解を深めて対策をしっかりしておきたいものです。

(富永玲奈/アート・サプライ)

※この記事は2013年2月に取材・掲載した記事です

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