身体にまつわる都市伝説 第136回

「冬は脂肪がつきやすい」はウソ?

2014.02.11 TUE

身体にまつわる都市伝説


冬眠に備えて脂肪を蓄えるクマのように、冬は無条件に太りやすいイメージがある。でも、文化的な生活を送る現代人に、そのメカニズムは当てはまらないようだ 写真提供/PIXTA
春は確実に近づいているけれど、まだまだ朝晩の冷え込みは厳しい。こう寒いと、外へ出かけるのがおっくうで、つい運動不足になってしまいがち。かくいう筆者も、冬の間に増えてしまった体重を気にしているのだが…。

そういえば、動物の体は夏より冬の方が脂肪を蓄えやすいと聞いたことがある。これって本当なのだろうか?

「脂肪細胞は断熱効果を持っており、これによって極度の冷えから臓器を守ることができます。寒冷地の海辺のセイウチやアザラシの、丸々とした体を見てもわかるように、自然界の動物が脂肪を肥厚させて冬の低温環境に順応するメカニズムは確かに存在します。ただ、それが現代の人間にそのまま当てはまるかというと、これは考えにくいものがあります」

そう語るのは、新宿ライフクリニックの須田隆興先生だ。須田先生によれば、そうしたメカニズムが働くとしたら、生命を脅かすような限界ギリギリの寒冷状態に長く置かれる必要があるという。少なくとも、現代人の生活環境においては、冬場といえども肥満することによって生命活動を守ろうとする機能は働かないらしい。

「ただし、夏よりも冬の方が人は太りやすいというのは、ある意味では事実だと思いますよ。ただし、これは逆説的な解釈が必要で、冬に太りやすいのではなく、夏は脂肪が落ちやすいため、こうした都市伝説が広まったのではないかと考えられます」

いうまでもないことだが、暑い夏場は発汗量が増える。基礎代謝だけを見れば、体温を維持しなければならない冬の方が上がるともいわれるが、トータルの代謝量はやっぱり夏が上回ると須田先生は解説する。

「冬はどうしても運動量が減ってしまうことに加え、秋に収穫された美味しい食べ物が食卓に並ぶ季節でもありますから、少々太りやすいのはやむを得ないかもしれませんね」

寒さに負けず、活動的に動きまわるのが、冬太りの一番の対策のようだ。
(友清 哲)

※この記事は2013年2月に取材・掲載した記事です

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