身体にまつわる都市伝説 第85回

おしっこを飲むと健康になれる?

2014.02.12 WED

身体にまつわる都市伝説


医学的根拠がないにもかかわらず、不思議なほど知名度が高い飲尿健康法。それならせっせとミネラルウォーターを飲んだ方が、よっぽど健康によさそうだ 写真提供/PIXTA
古今東西、健康法にも様々あるが、なかにはどうしても試す気になれないものがある。ひところ大いに話題を呼んだ飲尿健康法もそのひとつだ。

これはつまり、自分のおしっこを飲用することで健康を保とうというものだが、いくらなんでも排泄物を口にするのは抵抗がある。古くから噂されてきたこの健康法、本当に効果があるのだろうか? 渋谷スカイクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「これは都市伝説でしょう。尿を飲むことで何が良くなるのか、この説からはいまひとつ具体性が見いだせないんですよね」

うーん、一刀両断。やはり所詮は排泄物なのだから、健康どころか、かえって不健康になってしまいかねないということか…。

「ただ、必ずしも健康に有害とまではいいきれないところがありますけどね。健康な人の尿であれば98%ほどは水分ですから、ちょっとやそっと飲んだくらいでは、体に害を及ぼすものではないでしょう。たとえば山で遭難してしまった時など、非常事態の水分補給策としては有用とすらいえます」

とはいえ、微量ながら尿素など体外に排出すべき成分を含んでいることは間違いないから、わざわざ飲用することは推奨できない、と須田先生は補足する。

「これは想像ですが、もし飲尿に健康を促進する効果があるなら、生物としての進化の過程でもう少し尿を飲む習慣が根付いたのではないかとも思います。極端な例ですが、毒性の強いユーカリを食べるコアラの赤ちゃんは、毒を中和するために親コアラの排泄物の一種を食べたりもします。もし尿に合理的な意味があるなら、生物はそれを生きるシステムに取り込んでいたはずなんです」

やはり、よほどの非常事態でもないかぎりは、尿を飲むのは控えた方がよさそうだ…。
(友清 哲)

※この記事は2012年2月に取材・掲載した記事です

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