支払いシミュレーションで計算!

家を買う時期 早期派・じっくり派

2014.02.15 SAT

住宅の購入は、きちんと貯蓄のできる家計の状態にある人が行うべきものなので、ある程度の頭金が貯まってから購入の検討を始めるべきですが、トータルの支払い額で損得を考えた場合、購入するなら少しでも急いだ方がいいのか、できる限り頭金を多くするためにじっくりと貯めてから買った方がいいのか、判断に迷う人もいることでしょう。

結論から言えば、今後の金利動向や物件価格の動向によって損得が変わるので一概に言えない、ということになりますが、将来の動向に応じて大雑把にまとめると、以下のようになります。

<ケース1> 金利水準や物件価格の水準が今後あまり変わらない場合
         → どうせ買うなら急いだ方がいい

<ケース2> 金利水準や物件価格の水準が今後上昇していく場合
         → どうせ買うなら急いだ方がいい

<ケース3> 金利水準や物件価格の水準が今後下降していく場合
         → じっくりと頭金を貯めながら様子を見極めるべき

現在の経済情勢としては、どんどん金利や物件価格が下がっていくというほどではないにしても、なかなか上がりにくい状況にあります。上記の3つのケースで考えると、<ケース3>側に寄りつつある<ケース1>の状態にあると考えていいと思います。

とすると、「どうせ買うなら急いだ方がいい」となりますが、具体的な数字をもとに検証してみましょう。

<事例1. いますぐ買う人の支払いシミュレーション>
現在30歳の人が、3000万円(諸費用込み)の物件の購入を考えているとします。便宜上、頭金はゼロとして、いますぐ買うためには、3000万円のローンを組む必要があるとします。ローンの金利は全期間固定で3%とし、60歳までに返済を終わらせる返済期間30年で計算すると、ボーナス返済なしで毎月返済額は12万6481円、総返済額は約4553万円になります。

<事例2. 3年貯金してから買う人の支払いシミュレーション>
この人が、現在の住まいの家賃を支払いながら年間100万円の貯蓄が可能だったとして、3年間で300万円の頭金を貯めたとします。同じ3000万円の物件を買うと、借入金額は2700万円。金利は同じく3%で、60歳までに返済が終わる27年返済でローンを組むとすると、毎月返済額は12万1689円、総返済額は約3943万円になります。支払った頭金と合計すると、約4243万円です。

<結論>
3年間頭金を貯めた方が約310万円トクになりますが、3年間の家賃がこの金額を上回る場合は、やはり急いで買った方が有利になります。また、年間 100万円貯蓄できるということで計算しましたが、これが年間50万円程度しか貯蓄できないとして、3年間で頭金150万円、借入金額が2850万円となると、総返済額は約4162万円、頭金と合計すると約4312万円となり、差額は240万円ほどに縮まります。つまり、3年間の家賃が240万円を超えるなら、急いで買った方がいいということになります。

簡単にまとめると、
 ●現在の家賃が安く、毎年の貯蓄額を多くできる人ほど、急がずにじっくりと貯めた方がよい
 ●家賃が高く、毎年の貯蓄額が少ない人ほど、どうせ買うなら急いだ方がいい
ということです。

ただし、毎年の貯蓄額が少ない人は、現時点でも頭金が少ないはずですので、借り入れる住宅ローンをきちんと返していけるかどうかを冷静に判断すべきなのは、いうまでもありません。

なお、今後の経済情勢はいかようにも変化する可能性があります。<ケース3>に該当するような、金利が今後も下がっていく、物件価格がもっと下がっていく状況がやってくるなら、やはり急がずにじっくりと待った方がいいということになりますので、とにかく住宅購入については、常に冷静にライフプランや家計の状況を見たうえで判断していくことが重要です。
(ファイナンシャルプランナー菱田雅生)

※この記事は2010年12月に取材・掲載した記事です

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