身体にまつわる都市伝説 第186回

ガムを噛むと記憶力は上がるのか?

2014.02.10 MON

身体にまつわる都市伝説


昨日の晩御飯が瞬時に思い出せない…なんてありがちだけど、ガムを噛むことで多少なりとも改善が期待できるかも!? 写真提供/PIXTA
年をとるにつれて物覚えが悪くなったり、ちょっとしたド忘れが増えたりすることに、不安を覚える人は少なくないのではないだろうか。かくいう筆者も、記憶力の悪さには日々悩まされており、今から老後が心配でならない。

そういえば、ガムを噛むことで記憶力がアップすると聞いたことがある。これが事実なら、手軽な脳トレとしてすぐにでも習慣化したいところだが…。恵比寿西口デンタルクリニックの小島将太郎先生に聞いてみた。

「噛むことと脳の働きが密接にかかわりあっているのは事実です。海外の研究では、老後に天然歯を多く残している人ほど、高い記憶力を有しているとのデータもあるくらいです。これは入れ歯と比較して、天然歯が多い方が物をよく噛めることや、天然歯の周囲にある感覚受容器の歯根膜が働くことで神経回路が活発に機能するためでしょう。“噛む”という行為は、脳の活動に大きな影響を与えているんです」

小島先生によれば、物を噛むという行為は、僕らがイメージしている以上に頭部の様々なパーツを駆使する運動なのだという。

「記憶を司る脳のなかでも、短期記憶は海馬、長期記憶は大脳皮質の活動によってサポートされています。人が高い記憶力を発揮するためには、これらの部位に血液を通して十分な酸素を供給し、健全に機能させる必要がある。咀嚼をすることで、頭蓋骨や下顎骨周囲の咀嚼筋群、舌骨周囲の舌骨上下筋群の運動が促され、新鮮な血液が心臓から脳に送り込まれるので、記憶力とも一定の関係があるといえるでしょう」

あくびをすると一時的に目が冴えるのも、それが咀嚼筋群のストレッチになっているからだと小島先生は解説する。

僕らが思っていた以上に、“噛む”ことは脳のパフォーマンスに影響しているようだ。記憶力の低下に悩まされている人は、もしかすると、物をしっかり噛んで食べないことが一因かもしれない。今一度、自身の食事作法に注意してみてはいかがだろうか。
(友清 哲)

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