憧れの田舎暮らし、意外な盲点

山暮らしと海暮らしの違いと注意点

2014.03.05 WED


「ロハス」や「スローライフ」といった言葉の定着とともに、移住希望者が増えた田舎暮らし。ただ、田舎といっても大きく分けて「山」と「海」がある。どちらも自然に満ちた暮らしはできそうだが、当然のように微妙な違いがある。特に気をつけなければいけない「盲点」はそうだ。

「一般的に山の物件は、商業施設や医療機関が近場にない人里離れた立地も少なくないため車は欠かせません。また、自然豊かになればなるほど、携帯電話の電波、インターネット環境、水道といったインフラが整備されていない可能性は高まります。そうなれば電話線や水道を自分で引かなければなりません」(田舎暮らしを支援するサイト「田舎ねっと.日本」の古賀恵一さん)

また、夏はいいが冬になれば毎日雪かきや水抜き(水道管などが凍らないように水道管や蛇口から水を抜くこと)が必須。田舎暮らしには自然の厳しさも受け入れる必要があるのだ。

一方、海は海岸線ギリギリまで街が形成されているエリアも多く、山と比べるとインフラ未整備のリスクは小さい。ただし、醍醐味である海を見渡せる「海の最前列」の家は超激戦。空きが出にくい上に賃料・価格の設定も高めである。結局「海が近いが、海は見えない家」しか空いていない、予算の折り合いがつかないなんてことはけっこうある。また、塩害は山にはない海のマイナス要素だ。

田舎暮らしを実現したいなら、山・海ともに、こういった事情、リスクも加味して検討したほうがよさそうだ。

「田舎暮らしの物件選びで大切なのは『自分がどんなライフスタイルを望んでいるのか』をはっきりさせること」(古賀さん)

たとえば山暮らしでも永住なのか、夏の避暑限定の家なのかで、求める家の雪対策のレベルは変わってくるだろう。また海でも「マリンスポーツ楽しむのが第一だから、距離さえ近ければ眺望にはこだわらない」となれば、対象となる物件はグッと増えるはずだ。

「そのためにも下見は大切。山や海は環境が特殊なので、一度見ただけではわからないことばかりです。下見も兼ねた旅行として一年間、季節ごとに住みたいエリアに通い、天候などを確認、実感してもいいくらい」(古賀さん)

移住、Iターンは気軽にできるものではない。本当に自分がしたい暮らしは何か? それは山と海、どちらで実現するのか。考えすぎて損はないのかも。
(鯨井隆正)

※この記事は2011年02月に取材・掲載した記事です

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