社会にも影響がありますが…

経済見通しって、算出方法は?

2014.03.20 THU


見通しには、やがて結果が出て正誤が明らかになってしまうという厳しさもある。そうしたプレッシャーの中で、見通しのプロとして鍛え上げられていくのだ(写真は日本銀行本店)
社会にも大きなインパクトをもたらす経済見通し。どんな人たちがどんなふうに作っているのだろうか。例えば、四半期に一度、経済見通し(「経済・物価情勢の展望<展望レポート>」および中間評価)を公表している日本銀行。この見通しは、解説が50ページ以上、統計などの図表が60以上も掲載された分厚いレポートになっている。

「日銀には調査や統計を専門にする部署がいくつもあります。展望レポートに関しては、国内の金融経済情勢を見るチーム、海外の金融経済情勢を見るチームなどが携わり、その分析を土台として、最終的な見通しが作られます」(景気調査経験のある元日銀マン)

携わっているスタッフは、アシスタントを含め少なくとも総勢50人以上になるという。

「GDP、消費、物価、輸出、設備投資などのマクロ統計や、業種別のミクロ統計を随時モニターしています。担当者はそれぞれが個別に担当分野を持ち、様々なデータや分析をもとに今後の見通しを立てます。それをチーム内で発表したのちに、別の担当者からの意見なども聞きながら、議論や分析を重ねて、より精度の高い見通しを作っていきます」

見通し分析のベースとなる統計は、政府が公表するデータのみならず、民間の調査機関のデータなど、様々なデータが使われる。

「企業に直接インタビューするミクロ調査も重要な情報源のひとつです。地方の支店ごとに行うほか、本店でも行います。特に、世界的な事変や震災など、景気が急激に変化する局面では、統計が出そろうのを待っていては、景気判断、政策対応が遅れることにもなりかねないため、ミクロ調査チームが大活躍します」

最終的な判断は、チーム全体で議論をしながら行うという。自由闊達にいろんな意見が出されるのだそうだ。そして最終的な見通しへとまとめられていくわけだが、そのベースはあくまでもテーマごとの担当者の分析をもとに作られた原案。だから、担当者の責任は重大だ。最終文案についてのニュアンスチェックも担当者が慎重に行うという。

「日銀として対外公表する資料には、万が一にも間違いがあってはいけません。資料の公表や提出の前には、スタッフが蛍光ペンを持って、すべての文章、数字、グラフの内容を、それはそれは厳重に確認します」

難しい分析だけではない。こうした地道な努力も、日銀の経済見通しの信任を支えているのかもしれない。
(上阪 徹)

※この記事は2012年3月に取材・掲載した記事です

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