身体にまつわる都市伝説 第189回

「寒くて風邪をひく」は正しいの?

2014.03.03 MON

身体にまつわる都市伝説


風邪のウィルスはそこらじゅうにまん延している。だからこそ、防寒や休養などを徹底し、ウィルスに“引き金”を引かせないことが大切なのだ 写真提供/PIXTA
季節の変わり目は体調を崩しやすい、とはよく耳にすること。「花冷え」という言葉もあるように、春の気配が訪れる頃でも実際にはまだまだ気温が低く、油断すると風邪をひいてしまいがちだ。

ところで、「寒いと風邪をひく」というのは一般的に浸透している図式だが、実際にはウィルスなどの因子がなければ風邪を患うことはないはず。寒さと風邪の関係というのは、実際のところどうなっているのだろう? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「ウィルスや細菌などが風邪の原因となることは大前提ですが、そのうえで、寒さで風邪をひくというのは決して間違いではありません。風邪症候群というのは大まかに、個体条件もしくは環境条件のいずれかが影響して発症するものと考えられています。個体条件とは免疫不全や脱水、疲労など。環境条件とは、寒冷や乾燥などですね」

ただし、ただ寒いだけで風邪をひくことはない。たとえば極寒の南極では、ウィルス自体が死滅してしまうため、凍死することはあっても風邪をひくことはないというのは有名な話。

須田先生によれば、風邪というのは僕らにとって一番身近な病でありながら、意外と発症のメカニズムに不明点を残しているという。一説には、体が冷えることよりも、寒さが自律神経に与える影響が風邪を招くとの説もあるそうだが…。

「体が冷やされることによって、交感神経が刺激されるのは事実です。この時に分泌されるカテコラミンという物質が熱を生むことで、基礎代謝量は通常時の3~6倍に上がります。結果として体は疲労しますから、風邪をひきやすくなるともいえるでしょう」

風邪の原因となるウィルスは、僕たちの身辺に当たり前のように潜んでいる。それが様々な要因によってきっかけを得た時、人は風邪を患うのだ。健やかに暮らすためには体温調節はもちろんのこと、手洗いうがいや防寒など、全方位的な注意が欠かせないのかも。
(友清 哲)

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