太りやすくなるetc. 噂はホント?

低用量ピル がん予防になる場合も

2014.03.26 WED


まだまだ日本では服用している人が多いとは言えない低用量ピル。リスクばかりが気になるけど、きちんと理解した上で服用すればメリットが多いんですね。画像提供:Syda Productions / PIXTA(ピクスタ)
避妊のための低用量ピル、使ってはみたいけど、副作用などが心配という声も耳にします。乳がんになりやすいという噂も聞きますが、その真相は? 産婦人科医の宋美玄先生にお聞きしました。

「乳がんになる人がわずかながら増えるというデータはありますが、大きなリスクとはとらえられていません。逆に、卵巣がんと子宮体がんに関しては、予防につながります。昔に比べて、女性が一生のうちで出産する子どもの数が減り、産む年齢も遅くなっている今、生涯に排卵する数が激増しています。毎月毎月、排卵して子宮内膜が増殖して、はがれ落ちてということを繰り返すことで、これらのがんになる可能性は上がります。そこで、ピルを服用して、組織の増殖と破綻の繰り返しを少なくすることで、がん化するリスクを減らせるんです」(宋先生)

なるほど、女性特有のがんの予防になるケースがあるとは知りませんでした。そもそもピルは女性ホルモンの量を調整することで、排卵を抑制し、子宮内膜の増殖を抑え、妊娠できない状態にする薬。副作用や体への影響はないのでしょうか。

「副作用としては、血液が固まりやすくなることがあるため、タバコを吸う人や肥満の人、約40歳以上の人、偏頭痛を持っている人は血栓症のリスクが上がるのでおすすめできません」

では、服用期間が長くなることによるリスクは? 最近では、30代半ば以降で出産を希望する女性も多いですが、20代から服用し続けても大丈夫ですか?

「若いうちから飲むことは、リスクよりもメリットのほうが大きいと思います。若い時のほうがホルモン分泌量が多く生理や生理痛が重くなりやすいのですが、それを軽くできますから。それに、飲み続けることで子宮内膜症の予防にもつながり、子宮内膜症による不妊のリスクを減らせると考えられます」

妊娠を希望する時期になり服用をやめると、遅くとも3カ月ほどでピルの影響は無くなり、もともと排卵があった人は再び排卵するようになるそうです。

また、服用中の生理は少量の出血程度になるため、生理に振り回されることも減り、旅行の時などに生理日を調整しやすくなるというメリットもあるとか。ただし、低用量ピルは、日本では医師の処方箋が無いと買えないので、興味を持ったらまずは婦人科を受診しましょう。

(相馬由子)

  • 宋美玄(そん・みひょん)さん
    76年生まれ、神戸市出身。産婦人科医、性科学者。診療に従事しながら、女性の性や妊娠、出産について啓蒙活動を行う。2月20日に『女のカラダ、悩みの9割は眉唾』(講談社+α新書)が発売。女性が振り回されがちな医学的根拠の無い噂を、論理的且つわかりやすく解説した1冊

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