身体にまつわる都市伝説 第143回

射精の消費カロリーは100m走並み?

2014.04.01 TUE

身体にまつわる都市伝説


日常労作の身体活動の強度を評価する「メッツ値」で比較してみれば、1回の射精が100m走に匹敵するエネルギーを消費することはなさそう 写真提供/PIXTA
男子のあいだで昔から根強くささやかれている噂がある。それは、「1回の射精で消費するカロリーは、100mを全力疾走した時と同じ」というものだ。射精後の気だるさや脱力感を考えると、なんだか妙に信ぴょう性を感じてしまう説ではある。

もしこれが事実なら、射精3回で300m分、5回で500m分、さらにはもし10回も頑張れたら、ちょっとした長距離走と同じエネルギーを消費することになる。これが事実なら、どうりで射精後はぐったりするわけだ…と納得してしまうが、ぜひとも真相を確かめておきたい。

「射精1回の運動量というのは定量化できないので、これは非常に検証が難しい問題です。極端にいえば、ものすごくアクロバティックなセックスをした場合と、ひとりでおとなしく果てた場合とでは、エネルギー消費量は大きく変わってきますからね」

そう解説するのは、新宿ライフクリニックの須田隆興先生である。そこで須田先生が提示してくれたのが、身体活動の強度を評価する「メッツ値」という指標だ。

「メッツ値というのは、活動代謝量を安静代謝量で割った数値で、身体への負荷、あるいは身体活動の強度を評価する際に用いられるものです。たとえば心筋梗塞を患った人が、心臓をどのくらい酷使していいかを示す場合などに使うのですが、これによると通常の歩行が3.0~4.0METs、ジョギングが7.0METs。そして一般的なセックスは1.3METsとされています。つまり強度では、射精は全力疾走には及ばないという、ひとつの目安になるのではないでしょうか」

この数値を見るかぎり、作法にいくら個人差があるとはいえ、1回の射精で100m走と同じカロリーを消費するなんてことはあり得なそう。これは結局、射精後に男子の心身を襲うなんともいえない虚脱感を表した比喩だったようだ。
(友清 哲)

※この記事は2013年4月に取材・掲載した記事です

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