名前について調べてみたら…/第6回

いつかのために…戒名を知る

2014.04.04 FRI


プログラマー龍雲氏が作成した戒名自作ソフト「Accsess戒名」。Microsoft Accessで作成されており、自分で戒名をつくったり、保存したりできるフリーダウンロードのソフト。あくまで、シュミレーションのためのソフトのようだが、寺院からの問い合わせもあるらしい… 「Access戒名」  http://kaimyou.shikisokuzekuu.net/
そうそう頻繁にあるわけではないだけに、仏事についてはよく分からないことが多いもの。特に若い世代にはなおさらだろう。なかでもよく分からないのが戒名。ひと頃、「戒名はいらない」みたいな本も売れていたが、戒名って一体、なんなのでしょう?

「もともとは、仏教徒として生きることを決意した人に授けられる名前が、戒名です。ですから伝統的な戒名とは、生前につけてもらうものなのです」と語るのは、仏事専門の出版社、鎌倉新書の田添拓人さん。

戒名って、死んでからつけられる名前だと思ってました。では、いつから戒名の風習が始まったんですか?

「日本で最初の戒名は、奈良時代に見られます。聖武天皇が“勝満”と、続く平安時代には、藤原道長が“行覚”という戒名を名乗っていますね。江戸時代になると、キリシタン禁制の影響や、民衆の管理のために敷かれた檀家制度が確立していくなかで、戒名はより普及していったようです」

おぉ結構、昔からあるんですね。……ん!? 田添さん、ちょっと待ってくださいよ。戒名はもっと長いものですよね、“勝満”や“行覚”じゃ、たった2文字じゃないですか? 

「一般的に戒名は、院号(寺院へ貢献した人につく)、道号(生き方や趣味を表す)、戒名(2文字の名前)、居士・大姉などの位号(位)で構成されていて長いイメージがあります。しかし、本来の戒名とは、道号と位号に挟まれた2文字だけなのです」

なんと、戒名は長いものと思い込んでいましたが、実は2文字だけなんですか!

「たとえば、いかりや長介さんの戒名、瑞雲院法道日長居士の場合、日長が戒名です。時代によっては戒名以外のパーツがないときもあります。宮本武蔵の戒名、新免武蔵居士の場合では、武蔵が戒名、新免が道号となり、院号はありませんね」

ちなみに田添さんいわく、戒名と一口にいっても、宗派によって特徴があるとのこと。たとえば浄土宗だと誉、浄土真宗だと釈、日蓮宗だと日や妙が尊い漢字として、好まれるという。

ここで、ふつふつと疑問が。ではクリスチャンや神道の人にも、戒名はあるのだろうか。今度は、葬儀に詳しい葬儀ビジネス研究所の吉川美津子さんにお聞きしました。

「クリスチャンにもクリスチャンネームはあります。神道にも戒名に似たもので、諡(おくりな)があります。たとえば男性の諡だと、名前の後ろに“大人命(うしのみこと)”が、また女性の場合、“刀自命(とじのみこと)”がつきます。私、吉川美津子だと、吉川美津子刀自命となります。亡くなられた事情を知らない人だと、『ひょっとして自殺?』なんて勘違いする人もいるのですよ」

なるほど、趣旨や形は違えども、戒名のようなものをつけることは珍しくないんですね。ボクは無宗教ですが、それだけは欲しいかも……。

(川上光寿)

※この記事は2012年4月に取材・掲載した記事です

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