もしも自分が払いたくない時は…

親子リレー返済拒否は可能か?

2014.04.10 THU


最初の何年かは親がローンを負担し、ある時期から子に返済義務を受け継ぐ親子リレー返済ローン。親とすれば、ローンを子と共有することで負担を軽減でき、子としては収入が増えてくる年代までローン負担を先延ばしにできるというメリットがある。

だが、なかには親の勧めるがままに契約してしまい、いざリレーされてから子が返済を拒否しようとするケースもあるのだとか。確かに、内容もよく理解しないまま契約してしまっていた…なんてこともありそうだが、そんな場合、子は返済を拒否できるのだろうか?

「返済拒否はまず出来ないと考えてください。契約時には、子からも印鑑証明や自筆の契約書などを金融機関に提出してもらっていますから、後になって『知らなかった』『許可していない』と主張しても、それは通らないでしょう。上記のものは“子も同意している”証明になるので、拒否というのは現実的ではありません」

お答え頂いたのは、弁護士法人レセラ四ツ谷法律事務所の大竹夏夫弁護士。親子リレー返済は後になって揉めるケースも多いため、金融機関もトラブルにならないよう細心の注意を払って契約しているようだ。

「“親からの詐欺”という考え方で裁判をするのも一つの方法ではありますが、それで勝つのはなかなか難しいでしょう。そもそも子どもといっても20歳以上でなければ契約できませんし、親子と面談をして契約する金融機関も多いので“契約したことを知らなかった”と証明するのは厳しいと思います」(同)

では、返済が苦しくなった場合、どのような手立てを取ればよいのだろうか?

「一般的な住宅ローンと同じように、借り換えや条件変更によって年数や返済額を変えるしかないでしょう。それも難しい場合は、売却になってしまいます。ただし、親御さんがいるうちは物件の共有者なので、すでに返済が子に受け継がれていても売却には両者の了解が必要になってきます」(同)

なるほど。ローンは子に受け継いでも、物件はあくまで親子2人の持ち物ということか。

ところで親が亡くなった場合、ローンを引き継ぐ子が対象の家をすべて相続できるとは限らないとのこと。もし他の兄弟が所有権を主張してしまえば、ローンを一人で負担しているにもかかわらず、兄弟名義になってしまう可能性もあるようだ。それを回避するには遺書などが必要になるとのことだが。

「遺書や遺言などを事前に作っておけば良いのですが、なかなかそういう方はいらっしゃいません。また、作るにしてもただ書けばいいというわけではなく、法律上有効になるものでなければ意味がないので、作成する際は弁護士に相談して頂いた方が良いかと思います」(同)

いくら親が主導で契約したとしても、自分の番になってから返済を「拒否する」というのは無理な話。親子リレー返済の話が出た際には、「自分が払う」ことをしっかり自覚して話し合う必要があるようだ。
(河合力)

※この記事は2011年06月に取材・掲載した記事です

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