マンションも戸建てもケース・バイ・ケース?

南向き信仰は誤り?家の方角の真相

2014.04.13 SUN


価格や立地、間取り、築年数など、様々な要素を検討するのが、住まい選びの楽しくも難しいところ。もちろん日当たりの良さも大切なポイントのひとつ。というと「やっぱり南向き?」と思い浮かべる人も多いかもしれませんね。ところが最近、そんな「南向き信仰」が徐々に変化しているのだとか。そこで、これまでの「南向き信仰」の実態とあわせて、変化の背景を取材してみた!

「建物が密集し日当たりを確保するのが難しい日本では、以前から南向き物件の人気が高く、その評価は住宅価格にも反映されてきました。たとえば、東向きと西向きの価格を100とするなら、北向きは90、南向きは110。さらに最も人気が高い東南角部屋は、120~130程度の値を付けても売れていました。お子様の住宅購入に際し『差額を支払うから日当たりの良い家に住みなさい』と援助を申し出るご両親も少なくなかったほどですよ」とは不動産コンサルタントで、個人向け不動産コンサルティングサービスを手がけるさくら事務所代表の長嶋修さん。

東向きで5000万円のマンションの場合、北向きは4500万円で南向きは5500万。同じマンションで1000万円もの差額とは…。では、そんな「南向き信仰」が昨今変化しているというのは、どういうことなんでしょう?

「たとえば周囲に遮る建物のないタワーマンションの場合、南向きでなくても生活に十分な明るさを確保できる物件が多い。直射日光が長時間得られる南向きは洗濯物が乾きやすいなどのメリットがある一方、夏場は暑すぎるという声も。価格や眺望などを複合的に考え、あえて北向き選ぶ方も増えていますね」(同)

では、戸建ての場合は?

「南側が道路に面した戸建ての場合、道路側にリビングや物干しスペースを設置する間取りになり、眺望の悪さや騒音が気になることも。一方、北側が道路の物件なら、日当たりが良く静かな南側にリビングを配置できることもあります。マンションも戸建てもケース・バイ・ケースなので、一概に『南向きがベスト』とは考えない人も増えていますね」(同)

さらに、東日本大震災以降、日当たりよりも地盤の強さをはじめ、災害に対する住宅性能を重視する声も増えているんだとか。

南向きが良いかどうかは物件の環境や住まい手のライフスタイル次第ということ。やみくもに“南向き物件”を望んで、余計な出費をしないよう、住まい選びは冷静に考えたいものですね。
(吉原 徹/サグレス)

かつては「日当たりが悪くて洗濯物が乾かない!」なんて悩みから、南向きを渇望する声が多かった日本の住宅事情。しかしタワーマンションの登場や住宅設備の進化によって、南向き信仰は揺らいでいるようだ。Rinuu / PIXTA(pixta.jp)

※この記事は2011年9月に取材・掲載した記事です

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