身体にまつわる都市伝説 第145回

高熱で「種なし」になるって本当?

2014.04.15 TUE

身体にまつわる都市伝説


おたふく風邪の原因となるムンプスウイルスは、無精子症を引き起こすことがある。しかし、高熱そのものが原因で無精子症を発症するわけではない 写真提供/PIXTA
季節の変わり目ゆえか、喉がイガイガする…と思ったらあっという間に高熱を発症。久しぶりに寝込んでしまった。もともとあまり風邪などひかないタイプなので、たまにこうして40度近い熱を発すると、「このまま死んでしまうんじゃないだろうか…!?」などと大げさに心配してしまう。

そしてもうひとつ、昔からよく耳にする心配事が頭をよぎることがある。あまり高い熱が出ると、精巣がダメージを受けて子どもをつくれなくなるという、アレだ。これは実際に起こり得ることなのか? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「これは、あり得ないことではありません。ただし、高熱そのものが原因となるのではなく、おたふく風邪が精巣炎という睾丸の炎症を引き起こすことがあり、これが悪化すると造精機能障害、つまり精子をつくる機能を阻害するケースがあるんです」

医学的にこれを無精子症と呼ぶそうなのだが、男としてはちょっと恐ろしい事態だ。幼少期におたふく風邪を患い、高熱を経験した人も多いと思うが…。

「ただ、無精子症は6割が原因不明とされていますし、必ずしもおたふく風邪が原因かというと、それはわかりません。無精子症が顕在化するのはたいてい、大人になって結婚し、子づくりを始めてからのこと。もし、幼少期のおたふく風邪に原因があったとしても、突き止めにくいのが実情です」

では、おたふく風邪以外の病気で高熱を発する場合はどうだろう?

「なぜ、おたふく風邪が無精子症の原因に挙げられるかというと、おたふく風邪の原因となるムンプスウイルスが精巣に感染しやすいためです。高熱を発する病気に必ずしもこのようなリスクがあるわけではありません」

今回の都市伝説が生まれた理由もそこにあるのだろう。決して、熱の高さが問題になるわけではなかったのだ。
(友清 哲)

※この記事は2013年4月に取材・掲載した記事です

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