聞けばなるほどその仕組み

脳を制御して乗り物酔いを防ぐ

2014.04.18 FRI


理屈がわかれば納得。乗り物酔い対策で、楽しい休日を! 画像提供:Paylessimages1/PIXTA
もうすぐゴールデン・ウィーク。旅行に出かける方も多いことでしょう。ただ、なかには「道中の乗り物酔いが不安」なんて人もいるのではないでしょうか? そこで、乗り物酔いにならない対策を、目白大学耳科学研究所クリニック院長の坂田英明先生に教えていただきました。

「乗り物酔いには 平衡感覚を司る“前庭小脳”という脳の部位が関わっています。ここは体の傾きを感知する内耳、目、自律神経から届く情報を整理して大脳に伝えていますが、この情報整理がうまくできないと大脳が混乱してめまいや吐き気などを引き起こすのです。つまり、前庭小脳に入る情報を整理すれば、乗り物酔いは起こりません」

坂田先生によると、前庭小脳は非常に敏感な脳の部分のため、乗り物など外部の影響で視野が揺れたり、体の傾きが極端に変わったりすると、情報の整理がうまくできなくなるとのことです。

では、具体的にはどうすれば大脳を混乱させずに乗り物酔いを防げるのでしょうか? その方法を、坂田先生に教えていただきました。

・あごを引く(内耳にあるバランスセンサーが、揺れを感じにくくなる)
・近くを見ないで遠くをぼんやりと見る(視野が揺れない)
・十分な睡眠をとっておく(自律神経を安定させる)
・空腹や満腹の状態を避ける(自律神経を安定させる)
・シュガーレスガムを噛んだりしょうが汁を飲んだりする(自律神経を安定させる)

「もちろん乗車前に酔い止め薬を飲むのも効果的ですが、ほかに“意識をコントロール”する方法もあります。『乗り物に酔うかもしれない』などと過度に心配していると、大脳が過敏に反応して余計に酔いやすくなります。そんなときは、おしゃべりをしたり音楽を聴いたりしてリラックスするといいですね。また、大人なら乗り物に乗る30分ほど前に適量の飲酒をするのもいいでしょう」

飲酒が効果的というのは意外ですが、坂田先生によるとビールならコップ1杯、日本酒ならおちょこ1杯くらいなら、リラックス効果があるので乗り物酔い対策に効果的だそう。

また、これらの対策をやってみてもまだ乗り物酔いが起こるという方は、バランス感覚を鍛えるリハビリ体操や投薬治療を試みるのも手だそう。耳鼻科のめまい外来など医療機関に相談してみるとよいようです

せっかくの旅行は、移動中も快適に過ごしたいもの。乗り物酔いが不安という方は、まずは簡単にできる方法から試してみては?

(長倉克枝)

※この記事は2013年4月に取材・掲載した記事です

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