独立型から同居型まで…

多様化する「二世帯住宅」最前線

2014.04.30 WED


親世帯と子世帯が一つ屋根の下に同居する二世帯住宅。この二世帯住宅は、玄関が2つあり2軒の家がくっついている構造の「独立型」と、玄関やバスルーム・トイレ・キッチンなどを共有し、寝室などを分ける「同居型」の2種類に大きく分けられる。では、いまどきの二世帯住宅の場合、どちらのタイプが主流になっているのだろうか?

「当社の場合、独立型と同居型が半々くらいです。ただ、独立型は改良が進み、玄関だけ共用のもの、あるいはキッチンとバスのみ共用のものなど、要望に合わせて様々なタイプが出てきており、独立型と同居型の中間を行く住宅が、近年の主流です」

お答えいただいたのは、旭化成ホームズ二世帯住宅研究所所長の松本吉彦さん。今では、夕食のみ二世帯一緒に食べられるような構成や、洗濯や収納のみ共用にした独立型の二世帯住宅など、独立と同居の境界を自由に定められるようになってきているらしい。

「また、最近では同居型でもサブキッチンなどを付ける二世帯住宅も増えています。普段、夕食は二世帯一緒に大きなメインキッチンで作るのですが、例えば小腹がすいたときや、夫婦どちらかが夜勤の場合など、ちょっとした食事を自分の世帯のサブキッチンで済ませられるようなつくりになっているんですね」(松本さん)

ときには親と一緒に食卓を囲み、ときには親を気にせず用を済ませられる、といった都合のよい空間を今の二世帯住宅はつくることができる。

ちなみに完全な独立型はキッチンやバスルームの数がそれぞれ2個になるのだから、もちろんその分コストはかかるはず。

「基本的にはキッチンやバスルーム、玄関が1カ所増えるごとに50万円ほど費用が上乗せされると考えればいいと思います。ただし、同居型で親世帯と暮らすのは抵抗があるという世帯にとっては、広さに余裕があればこの費用を払って独立型とし、普段は互いのプライバシーを確保しつつ、必要に応じて親に孫の面倒を見てもらうようなことも可能です。そうすると共働きもしやすくなりますから、長い目で見れば経済的にプラスになるかもしれません」(同)

二世帯住宅は今後さらに多様化していくと考えられ、住みやすくストレスのない“オリジナルな構成”の家が増えていくかもしれない。

「最近は、世帯間を行き来する内部通路に、両側に鍵穴のついたドアを設置する住宅も増えていますね。もちろん鍵があればどちらからでもいつでも開けられるのですが、片方が鍵を閉めているときは“今は来ないでほしい”というちょっとしたメッセージになりますし、そういったものを気兼ねなく発せられるところに良さがあります」(同)

建築技術の面だけでなく、二世帯が干渉しすぎず心地よく暮らしていくためのアイデアも年々増えてきている。

東日本大震災を機に、二世帯での同居による“安心”の重要性を痛感したという人も多いはず。「親との同居はちょっと抵抗感が…」という方も、今は様々なタイプの二世帯住宅があるので、一度検討してみてはいかがだろうか。
(河合力)

※この記事は2011年11月に取材・掲載した記事です

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