前年度比34.6%のUP!

定期借家物件 借り手メリットは?

2014.05.14 WED


契約時にあらかじめ賃貸借期間を定め、期間が終わると更新されることなく契約が終了する定期借家制度。平成12年から施行されたものだが、実は近年この制度を適用した物件が増えている。不動産情報サービスのアットホームによれば、首都圏における2010年度の定期借家物件数は、前年度比34.6%増の8万8966件。賃貸物件に占める割合は3.4%に過ぎないとはいえ、着実に増加しているようだ。

では定期借家制度にはどのようなメリットがあるのだろうか?

「定期借家制度のメリットを受けられるのは、おもに貸主サイドでしょう。通常は契約期間が満了しても借り主に住む権利(借家権)が継続するため、貸主の意思で契約を終わらせることができません。そのため居座りや立ち退き料などの支障が生じていたのですが、定期借家制度であればそれらのリスクを回避できますから、貸主が不安なく賃貸経営を行えるんです」

お答えいただいたのは賃貸の総合情報サイト「賃貸博士」を運営するJSPの飯森さん。過去に立ち退き問題で苦労したり、そのリスクを不安視する貸主は、定期借家制度を利用する傾向が多いと考えるようだ。

「また、家主の転勤により期間限定で空き家になる物件や、老朽化などにより近い将来の建て替えを視野に入れた物件、子どもや親族などが将来使用する可能性のある物件なども、定期借家制度により気軽に貸すことができます。そのため、この制度により分譲マンションや一戸建てなど専有面積の広い賃貸物件が市場に出まわりやすくなったともいえるでしょう」(飯森さん)

こうした貸主側のメリットを背景に、定期借家物件は今後さらに増えていく可能性もあるようだ。

では借り主にとって、定期借家制度を利用するメリットはないのだろうか?

「借りる側にとっては期間が限定されているわけですから、もちろん便利なシステムとはいえません。しかし、その分賃料や礼金が通常の物件より安いケースが多いんです。さらに、おしゃれな分譲賃貸マンションや、一般賃貸ではほとんど見かけない広い物件などもあるので、うまく条件に当てはまる人にはいいかもしれません」(同)

つまり、住む期間がある程度明確な学生や長期出張のビジネスマンなどにとってはお得な物件が見つかるかもしれないということだ。また、家を建て替える間の仮住まいとして利用するにも向いているという。

ところで、定期借家物件を借りる際の注意点はあるのだろうか?

「契約期間が決まっているわけですから、契約期間が終了するまでにその後の住まいのメドをつける必要があります。ただ、定期借家物件とはいえ、貸主との合意の上であれば、再契約により実質的な期間延長をすることも可能です。なので、入居前に定期借家にしている理由なども確認しておけば、そうした相談をする余地がありそうか否か判断しやすくなるかもしれませんね」(同)

借りる側にとって一定の制約はあるが、条件さえ合えばお得な物件が見つかる可能性もある定期借家制度。期間限定でも構わないという人は、住まい探しの選択肢のひとつとして検討してみてはいかがだろうか?
(河合力)

※この記事は2011年09月に取材・掲載した記事です

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト