若年層にも増えている…

脳卒中、実は夏こそ注意が必要?

2014.05.24 SAT


冬に発症するケースが多い印象のある脳卒中。しかし脳梗塞に関しては、むしろ夏が最も発症しやすい時期なのだ。水分をこまめに補給してリスクを低減させよう
間もなくやってくる暑い夏。楽しいイベントが増える季節ではあるが、気温が急激に高くなる夏は、体に負担も増えるもの。これに関連して、5月最後の1週間(5/24〜5/31)を日本脳卒中協会が「脳卒中週間」と定めているらしい。脳卒中は冬にかかりやすいイメージがあるけど、どうしてこの時期なのだろうか?

「まず脳卒中とは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の総称です。患者の割合は脳梗塞が約7割、脳出血が約2割、くも膜下出血が約1割となっており、大部分を脳梗塞が占めているのですが、脳出血やくも膜下出血は、寒さで血圧が高くなる冬に起こりやすいことは比較的知られていました。しかし、厚生省研究班(当時)の調査によると、脳梗塞については夏(6~8月)に発症することが一番多いことが示されました。そこで、夏が来る前に注意喚起をするべく、5月の最後の1週間を脳卒中週間としたわけです」(日本脳卒中協会・中山博文先生)

脳梗塞に関していえば、むしろ夏が危険だったとは…。でも、どうして夏に多いのでしょうか?

「脳梗塞の原因である血栓は、脱水状態になるとできやすくなるためです。夏は発汗などにより、体の水分が失われがちですからね。そのため、この時期はこまめに水分をとることを心掛け、とりわけ水分が失われたままになりやすい睡眠時のリスクを低減するために、汗をよくかいた日は夜寝る前にコップ1杯の水を飲むことが予防につながります」(中山先生)

「脳卒中は高齢者がかかる病気」というイメージもありますが…。

「もちろん脳卒中は高齢になるほどリスクが高まるのは事実です。しかし、臨床現場の実感では20代後半~40代前半などの若年層も脳卒中と診断される場合が増えてきたようです。この年代に関していえば、動脈硬化を原因とするものが相対的に少なく、脳動脈の壁が突然裂ける『脳動脈解離』が原因であるケースなどが相対的に多いことが報告されています」(国立循環器病研究センター・豊田一則先生)

ではその「脳動脈解離」にならないために何に気をつけるべきなのでしょうか?

「きっかけとなる原因がはっきりしない場合もありますが、カイロプラクティックやスポーツなどで、首を酷使したり、過度に動かすことが悪影響を及ぼす可能性があるという指摘があります。首を鳴らすといった行為も、注意が必要でしょう」(豊田先生)

他に食生活の乱れも脳卒中のリスクを高めているという注意も…。若いからといって、油断は禁物。生活習慣を見直して、脳卒中のリスクを低減していきたいですね。

(冨手公嘉/verb)

※この記事は2013年5月に取材・掲載した記事です

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