知ってるようで知らない「天候の不思議」/第5回

梅雨の入り明け、決める基準は?

2014.05.28 WED


最近では「雨の日割引き」を実施しているお店も増えているそう。雨が続く梅雨こそ、買い物を楽しんでみてはいかがでしょう Kuzma/PIXTA
初夏を迎え、沖縄は4月28日に梅雨入りし、他の地域でも梅雨入りの発表が耳に入りはじめました。今年は、平年に比べ10日ほど早い梅雨入りだそう。と、ここで気になるのが「梅雨入り」や「梅雨明け」の基準。いったいどうやって決めているのでしょう。梅雨入りが発表された翌日が快晴だったりする年もあるし…。降水量が一定以上に増えたらなど、梅雨の時期を決める物差しがあるのでしょうか?

「北海道を除く日本各地を12地方に区分し、そこを担当する気象台と気象庁予報課が向こう1週間程度の天気を予測。それ以前に比べて雨の日が増え、日照時間が少なくなるだろうと判断した5日前後の概ね中日を“梅雨入り”。その前の期間に比べて雨の日が減り、日照時間が多くなるだろうと判断した5日前後の概ね中日を“梅雨明け”とし、“梅雨の時期に関する気象情報”として発表しています」

そう答えてくれたのは、気象庁の天気相談所で所長を務める田中武夫さん。つまり、今まで「梅雨入り」とは情報の確定した“宣言”と思っていましたが、違うのですか?

「はい。ですから、予想に反して実際の梅雨の時期が変更になることもあります。そこで気象庁では、梅雨が過ぎてから改めてその年の春〜夏にかけての実際の天候の経過を検討し、確定した梅雨の時期を気象庁ホームページなどに気象統計情報として発表しています」

気象庁ホームページには昭和26年から平成23年までの梅雨入り・梅雨明けの確定値が掲載されています。そこの表には降水量も書いてありますが、梅雨と降水量にはどんな関係であるのでしょうか?

「実は梅雨と降水量に直接の関係はありません。梅雨の時期は、天候が安定せず、雨が降りやすい傾向にあります。しかし、年によって降水量はまったく違うので、“○mm以上雨が降るから梅雨”という判断をしているわけではないのです」

なるほど。確かに各年を比較してみると降水量はバラバラ。思い返してみれば、ほとんど雨が降らなくて「あれ? 今、梅雨じゃなかったっけ?」と不思議に思う年もありますよね。

ちなみに、梅雨の入り明けが気象情報として正式に発表されるようになったのは昭和61年。ただし、当初は「○日」と梅雨入り・梅雨明けの日にちを決めて発表していたそう。しかし、梅雨は季節現象で明確な日にちを特定することができないとの理由から、平成9年に「○日ごろ」と幅を持たせた表現に変更して今に至るそうです。

正式発表の歴史は意外と新しいのですね。それに「梅雨入り」「梅雨明け」と発表された時点ではただの予報だというのも意外でした。今まで疑問に思っていた不思議がわかって心は晴れやか。なんだか梅雨明けした気分です。
(村上広大)

※この記事は2012年5月に取材・掲載した記事です

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