味わいは実に多種多様

東京の「地ビール」飲みくらべ

2014.05.15 THU


多摩の恵 写真は明るい銅色をした「ペールエール」。柑橘系の香りが特徴のカスケードホップを使用。苦みが抑えめで飲みやすく、一番人気のビールだという
主に小規模な醸造所で造られ、銘柄の違いにより様々な味わいを楽しめる「地ビール」。この精魂込めて造られる高品質なビールを、「手工芸品(Craft)」にたとえて「クラフトビール」と呼ぶのも、今では定着してきた。地方の醸造所が独自製法によって少量生産…というイメージをお持ちかもしれないが、実は東京で造られている逸品もたくさんあるという。

そのなかの一つが、「多摩の恵」。「明治20年に西多摩で造られていたビールを今によみがえらせた」と話すのは醸造元の石川酒造内売店「酒世羅」の店長・橋本恭男さん。

「主にドイツやイギリスなどから仕入れた原材料を使って天然水で仕込み、ろ過も加熱処理もせずに醸造した自然派志向のビールです」

主原料であるモルトやホップの爽やかな香りを活かした味わいが特徴的。ビール=苦い、と苦手意識のある人にも飲みやすいと評判で、年間約10万Lを出荷している人気のビールだ。

そのほか、浅草にあるアサヒフードクリエイトでは、「隅田川ブルーイング ヴァイツェン」を醸造。ヴァイツェンとは大麦麦芽と小麦麦芽を原料にしたビールで、リンゴやバナナの風味が香る、フルーティな味わいが特長。

また、墨田区で造られる地ビール、「ヴィルゴビール」も人気だ。常温性酵母を使い、短期間で発酵させる「上面発酵」のタイプで、ブドウ果汁を使用した「深川の赤」やコクの深い「深川の黒」など、ラインナップは豊富。

そのほか注目なのが、「練馬金子ゴールデンビール」。明治33年、金子丑五郎氏が麦の自然交配を進めてビール用の麦「金子ゴールデン」の育成に成功。それを使ってできたのがこのビール。苦みを抑えたほんのり甘みのある味で、シャンパンのようなキメの細やかな泡が特徴だ。

東京の地ビールはほかにも盛りだくさん。いろいろ飲みくらべてみては?
(伊藤裕/GRINGO&Co.)


  • 練馬金子ゴールデンビール

    「ペールエール」をベースとし、シャンパンと同様に瓶内二次発酵を行ったビール。瓶詰め後に熟成が進むため、開封する時期により異なる味わいが楽しめる。練馬区のJA東京あおばが企画・販売
  • 深大寺ビール

    深大寺水系の天然水で仕込み、低温でじっくり熟成させたビール。しっかりした飲み応えの「ピルゼンタイプ」(写真)のほか、世界最高級のアロマホップを贅沢に使った、香ばしさが魅力の「ミュンヘンタイプ」も用意
  • ヴィルゴビール

    左から「深川の黒・永代橋ラベル」「深川の赤・八幡祭ラベル」「深川の白・門前仲町ラベル」。“白”は苦み控えめで、フルーティーな味わい

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト