意外と知らない眼の病気

「ものもらい」「結膜炎」の予防法

2014.06.01 SUN


目の異変を感じたらすぐに病院で受診を。『流行性角結膜炎』だと人にうつしてしまうことも
朝、目覚めるとなんだか目が腫れぼったい。顔を洗ってもまぶたが重いまま。よくよく鏡を見たら「ものもらい?」…なんてことありませんか? 時には目が真っ赤に充血していて、「ひょっとして結膜炎?」…なんてことも。

ものもらいにせよ、結膜炎にせよ、ある日突然、発症するもの。あれってどんなルートで感染しているんでしょう? 初夏を迎え、海やプールに行く機会が増える季節。子どもの頃、「プールから出る時は目を洗いなさい」なんて言われたけど、やはりプールで感染するケースが多いのでしょうか。スマイル眼科クリニックの岡野敬院長にお話を伺いました。

「よく誤解されがちですが、『ものもらい』は人に伝染する病気ではありません。大きく分けて2つの原因があり、汚れや雑菌が目に入ってかかるものと、まぶたにある分泌腺を詰まらせたりして発症するタイプです。まつげの生え際に『マイボーム腺』という腺があり、ここに細菌が感染することを『麦粒腫(ばくりゅうしゅ)』といいます。一方、腺に脂が詰まってできるものを『マイボーム腺梗塞』、しこりになると『霰粒腫(さんりゅうしゅ)』と呼び、『ものもらい』はこれらの症状の総称のようなものです」

では、その「ものもらい」を予防する方法はあるのでしょうか。

「『ものもらい』は、免疫力の低下によって引き起こされるので、寝不足、深酒などの生活習慣の乱れや疲れ、また、ストレスが原因となります。ですから、規則正しい生活をし、基礎体力を上げることが必要不可欠。また、『麦粒腫』はコンタクトレンズの汚れなどに起因することもありますし、炎症を悪化させる可能性が高くなるので長時間の装着や不衛生な扱いは避けましょう。また、『マイボーム腺梗塞』や『霰粒腫』は、まぶたを温めると脂がやわらかくなり、詰まりにくくなるので、ホットタオルを当てて軽くマッサージをすると予防できますよ」(同)

「ものもらい」以外に「結膜炎」とか「はやり目」なんて呼ばれる眼病もありますよね。子どもの頃、友人たちが次々と「はやり目」にかかり、皆で目を真っ赤にしていた記憶がありますが…。

「『はやり目』は、その名のとおり感染により流行する眼病のことで、その代表格が『流行性角結膜炎』と呼ばれる病気。空気感染ではなく接触感染で発症します。新感染症予防法第五類に分類される届け出伝染病に指定され、学校保健安全法上の学校伝染病と認められ、伝染のおそれがなくなるまで出席停止が義務付けられている眼病です。法律で二重に規制されるなど非常に厳重ですが、実は治療薬はまだ開発されておらず、眼科で処方される薬も鎮痛剤と同じように症状を抑えるだけで治すことはできません」(同)

その「流行性角結膜炎」について、われわれが日常で注意できることはありますか?

「これも、免疫力を高めることが重要なので、基礎体力の向上が必須。あとは、物などを介して感染するので、近くで感染している人がいたら、うかつに自分の目をこすったりしないことですね。しかし、『はやり目』に関しては、社会人として『うつらない』より『うつさない』心がけが大事。たとえば、『流行性角結膜炎』は発症してから、体内に抗体をつくり完全に治癒するまでは1~2週間かかりますが、多くの人は、薬で症状がおさまると数日ですぐに出勤してしまいます。そして、まだ完治していないことを忘れ、自分の目に触った手であちこちに触れ、周囲にウィルスをばらまいてしまうのです。ゴーグルもつけずにプールで泳ぐ子どもと違い、大人がプール感染することは少ないのですが、繁忙期で職場全体が疲れて弱っている時に、誰かが『流行性角結膜炎』のウィルスを持ち込んで一気に広めてしまうようなケースがよくあります。『感染したら休む』が社会人としてのマナーであり、思いやりですよ」(同)


ちなみに、岡野先生によると、2011年は震災によるストレスが起因してか、スマイル眼科クリニックに来院した「ものもらい」の患者数が、例年に比べて少し増えたそう。さらに、これから到来する梅雨の時季は、「ものもらい」の一因となる雑菌が繁殖しやすくなるそうなので、改めて生活習慣を見直し、免疫力を上げて予防しましょう。
(国府田智/クレッシェント)

※この記事は2012年5月に取材・掲載した記事です

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