知ってるようで知らない「天候の不思議」/第6回

ゲリラ豪雨、その正体とは!?

2014.06.05 THU


濡れるだけならまだいいけれど、重大な事故にも繋がりかねないゲリラ豪雨 画像提供:センメー/PIXTA
ここ数年、よく耳にするようになった「ゲリラ豪雨」という言葉。確かに子供の頃に比べると、突然の大雨に降られることが多くなった気がします。そんなゲリラ豪雨の不思議について、気象庁の天気相談所で所長を務める田中武夫さんに話を伺いました。

「まずはじめに、気象用語に“ゲリラ豪雨”という言葉はないんですよ。一部報道機関が、あちらこちらで短い時間に非常に激しく雨が降る状況のことを“ゲリラ豪雨”と称しているのです。気象庁では、これに相当する用語を“局地的大雨”と呼んでいます。ちなみにゲリラ豪雨という言葉は、1969年頃に新聞などで使われたのがはじまりとされていますよ」

そうだったんですか! 最近できた言葉だとばかり思っていました。では、ゲリラ豪雨を指す局地的大雨の定義はあるのでしょうか?

「気象庁では、急に強く降り、短時間で狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨を“局地的大雨”と定義しています。この大雨は、日本各地にあるアメダス観測所で観測され、“短時間強雨発生回数の長期変化”として1時間降水量50mm、80mmの短時間強雨の発生回数を年ごとに集計しています」

なるほど。ちなみに“局地的に降る雨”と聞くと「夕立」などを連想するのですが、局地的大雨との違いはあるのでしょうか?

「夕立は、夏期のみに用いる気象用語で、夏の午後に降る雷をともなうにわか雨を指すことが多いです。ちなみに降水が地域的に散発する一過性の雨を“にわか雨”、狭い範囲に数時間にわたり強く降って100mmから数百mmの雨量になるものを“集中豪雨”と呼んでいます」

気象状況として、それぞれ定義があるんですね。勉強になります! では、近年になって局地的大雨の発生回数が増えたような気がするのですが、これは地球温暖化が原因だったりするのでしょうか?

「確かに1976年から10年単位で見ると短時間強雨の発生回数は増加傾向にあります。しかし、年ごとに回数の変動が大きく、また観測データは過去30年余りしかないので、地球温暖化のように長期的な気候問題との関連を論じるには今後のデータの蓄積が必要です」

なるほど。現段階では地球温暖化が原因だとは断定できないんですね。

田中さんによれば、降水量の観測史上1位は、1982年7月の長崎県、1999年10月の千葉県でそれぞれ発生したもので、1時間あたりに最大で153mmを記録したそう。このレベルになると大規模な災害が発生する可能性が高くなるそう。

都心部で生活している限り、土砂崩れや川の増水で困ることはなかなかなさそうですが、できれば水が溜まりやすい場所の通行は避けたほうがよさそうです。

(村上広大)

※この記事は2012年6月に取材・掲載した記事です

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