見てはいけないとわかっているが…

「携帯メールの盗み見」は犯罪?

2014.06.07 SAT


最近では、持ち主本人しかロックを解除できないような、指紋による認証方法なども開発されているが… 写真提供/PIXTA
「彼女の携帯をこっそり見たら、浮気相手からのメールが…」なんて話、皆さんも聞いたことがあるのでは? いくら恋人でも、自分の携帯を勝手に盗み見られていたら、さすがに引きますよね。なかには「プライバシー侵害だ! 訴えてやる!」なんて思う人もいるかもしれません。果たしてこの行為、法的にはどのように解釈されるのでしょうか?

まず、刑事訴訟の観点からいうと、彼女の携帯メールをこっそりチェックしても、犯罪にはあたりません。「他人宛の封をされた手紙」を勝手に開封して見た場合には、「信書開封罪(刑法133条)」という犯罪が成立しますが、電子メールの場合には適用されません。もっとも、他人のIDやパスワードを使ってメールを盗み見たりした場合には、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」により、3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

次に、民事訴訟での慰謝料請求の可能性ですが、他人の携帯メールを盗み見る行為はプライバシー侵害にあたるので、厳密にいえば慰謝料を請求される可能性はあるのですが、実際には立証も難しく、そのような訴訟が起こされたケースもほとんどありません。

さらに、これが夫婦間であれば、夫婦は互いに「貞操義務」を負っているため、「妻に不審な行動があり、浮気調査のために合理的な範囲で携帯を見た」というような事情があれば、慰謝料を払わなければいけないほど違法性の強い行為とはとても言えないでしょう。実際、不貞裁判では、浮気の証拠としてよく携帯電話のメールのやりとりが出てくるのですが、それに対して「勝手に携帯を見たんだから慰謝料を支払え!」なんて請求は見たことがありません。

とはいえ、少なくとも恋人同士の間では、彼女の携帯メールを盗み見るなんてすべきではないでしょう。それで浮気の証拠をつかんでも、ショックを受けるのはあなた自身。まして浮気の形跡が見当たらなければ、自己嫌悪に陥るのが関の山。彼女の浮気が心配でも、ドンと構えておくのがオトコの度量というものです。

ともあれこの手の話、昔は「彼女が彼氏の浮気を心配して~」というケースが大半でしたけど、最近は逆のケースが目立つような…。
(島田さくら弁護士/弁護士法人 アディーレ法律事務所)

※この記事は2013年6月に取材・掲載した記事です

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