身体にまつわる都市伝説 第102回

脳は記憶を書き換える?

2014.06.10 TUE

身体にまつわる都市伝説


記憶は絶対的に正しいものではない。だからビジネスマンたるもの、日頃からメモを取る習慣が不可欠なのだ! 写真提供/PIXTA
同窓会で懐かしい友人と再会したときなど、同じ体験をしているはずなのに、お互いの過去の記憶が微妙に異なっているようなケースがたまにある。たいていの場合は単なる思い違いとして済ませてしまうが、ひょっとすると、お互いが自分の都合のいい方向に記憶を改ざんしているのではないかと疑いたくなることも。

かくいう筆者も、正直なところ自分の記憶がどこまで正確なのか自信はない。やはり人というのは自分に都合よく記憶を書き換えてしまうものなのだろうか? オスロ大学・認知機能研究センターの末神翔先生に聞いてみた。

「脳が偽の記憶を作りあげる可能性を示す研究結果は、これまでに数多く報告されていて、実際には起きていない幼少期の出来事について詳しく説明できてしまう例もあるほど。その原因の1つは、“情報の内容に関する記憶”と“情報源の記憶”がそれぞれ別物であるため、と考えられています。つまり、後者の“情報源に関する記憶”のみが改ざんされてしまい、テレビなどで見た出来事を、あたかも自分が体験したように思い込んでしまうことが起こり得るのです」

また、末神先生によると、連想が働くことで記憶があとから操作されてしまう可能性もあるという。

「たとえば1974年にアメリカでは、複数の被験者に自動車事故の映像を見せたあと、事故を起こした車がどのくらいの速度で走っていたかを尋ねる実験が行われました。この時、質問する際に『激突』という言葉を使った場合と、『接触』という言葉を使った場合では、同じ映像でも回答された速度が約15km/hも異なるという結果が得られています。すなわち、印象が記憶を左右する可能性もあるわけです」

うーん、人の記憶とは思いのほか脆弱なもののようだ。“いった/いわない”からはじまる口論は多いけど、自分の記憶を絶対だと思い込んでしまうと、とんだ赤っ恥をかくことになるかも!?
(友清 哲)

※この記事は2012年6月に取材・掲載した記事です

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト