噴き出す汗に悩む季節

効果のある多汗対策は?

2014.06.22 SUN


「汗だくのところを見られたくない」と気にするほど、余計に汗が出る。でも“意識して”気にしないというのもまた難しいもの… ※画像はイメージです 画像:Zakky/PIXTA
ただでさえ汗をかきやすいこの季節。汗っかきの人は、顔から流れ出る汗をたえずぬぐっていたり、つかんだ物が汗で濡れてしまうほど手のひらに汗をかくこともあるでしょう。日常生活に支障をきたすほどたくさんの汗をかいてしまうのは、もしかしたら病気なんでしょうか?

「生活に支障が出るほど汗をかく症状を『多汗症』といいます。全身からたくさんの汗をかき、動悸や高血圧など他の症状があるときは、甲状腺の病気や褐色細胞腫など、他の病気が潜んでいることもあります。ただ全身ではなく、手のひらや足の裏など特定の部位のみで汗をかく人の多くは、心の問題に起因する『精神性発汗』です。これはまじめな人がなりやすく、緊張して大汗をかいた経験をすると、そのあとも“また汗をかくのでは”と不安になり、緊張が増してまた汗をかいてしまうという症状ですね」

そう答えてくださったのは、汗の悩みに詳しい五味クリニックの五味常明院長。動機や高血圧がからんだ全身の汗は要注意だけど、それ以外ならあまり気にしなくてもよいということでしょうか?

「はい。精神性発汗の対策は、本人が開き直ることが一番です。ゆっくりと呼吸をして筋肉の緊張をとく『呼吸法』や、自律神経の働きを調節してリラックスする『自律訓練法』というトレーニングをしていると、緊張しにくくなり発汗が抑えられます。これらの方法を解説した本もありますので、自分でやってみるのもよいでしょう。もちろん、医療機関で指導を受けることもできますよ」

なるほど、精神性発汗は、適切な対策をとれば改善されるものなんですね。

「ただし、腋の下にたくさんの汗をかいてしまうケースはもう少し複雑です。精神性発汗のほか、腋の下にあるアポクリン腺という汗腺が多い、いわゆる“ワキガ体質”が関係しているケースもあるからです。この場合、呼吸法などの効果がなければ、汗が出る神経の働きを抑える、『ボトックス』という毒素を注射する治療が効果的です。一度注射をして汗の量が減ると自信につながり、不安が減って発汗が抑えやすくなります。当院でボトックス療法をした患者さんの多くは、脇の汗の量が7~8割減りました。また、よりワキガ体質の影響が強く出ている場合は、手術でアポクリン腺を取り除くという治療法もあります」

生活が困るほどの多汗で悩んでいる方は、まずは一度、専門家の診察を受けてみるとよいかもしれません。
(長倉克枝)

※この記事は2013年6月に取材・掲載した記事です

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