キシリトール入りのガムでセルフケア

朝食を抜くとむし歯になりやすい理由

2014.06.02 MON


「R25世代は、歯周病にも注意!」という鈴木彰院長
「最近ストレスや緊張を感じる」「夕食の時間は21時以降になることが多い」「朝食は抜きがち」――思い当たる人は、要注意。これらはすべて、むし歯になりやすい生活習慣の例だ。厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、夕食の時間が21時以降になる人は、20代・30代・40代男性でいずれも3割を超え、この数年で増加傾向にある。ということは、むし歯になりやすい男性が増えているわけだ。

だが、なぜこういった生活習慣がむし歯に悪いのか? むし歯のメカニズムについて、日本フィンランドむし歯予防研究会会長で神奈川県海老名市のベル歯科医院・鈴木彰院長にうかがった。

「むし歯の犯人は、口の中にいる細菌の一種である『ミュータンス菌』です。糖分を栄養にしてプラーク(歯垢)をつくり、さらに歯垢の中で糖を分解して酸を産生。この酸によって歯の表面のエナメル質が溶け出し、“修復”されないと歯に穴が開いてむし歯になってしまいます。この修復に欠かせないのが唾液。通常なら唾液が酸を中和し、ダメージを受けた歯の表面を修復します」

しかし、ストレスなどにより交感神経が優位な時や睡眠時は、唾液の分泌量が低下してしまう。21時以降に夕食をとるとむし歯になりやすいのは、このため。食後、唾液が十分に分泌されないうちに就寝することで、歯の修復が間に合わなくなるのだ。また、朝食を抜くとむし歯ができやすくなってしまうのも、唾液の分泌が促されないためだ。

さらに、20~30代は「歯周病にも注意すべき」と鈴木院長。歯周病といえば中高年がなるものというイメージだが…。

「歯周病は無症状で進行し、発症してから10~20年後に自覚症状があらわれます。自覚症状をおぼえるのは、主に40~50代。つまり30代で発症している人が多いのです。歯周病が進行すると、歯肉が退縮し、歯の根元(根面)が露出。また、間違ったブラッシングで歯ぐきを傷め、『根面』が露出してしまうこともあります。『根面』はやわらかく、むし歯になりやすい部分なので要注意です」(鈴木彰院長)

日本人の歯ぐきは薄く、退縮しやすい。また、歯ぐきは一度退縮すると元に戻らないため、むし歯を発症しやすい部位がむき出しのままになってしまうわけだ。

では、むし歯と歯周病はどのように防げばよいのか? ポイントは、歯垢がつかないようにすること。そして、ついてしまった歯垢を放置しないことだという。

「歯垢を取り除くにはプロフェッショナルケアとセルフケアを使いこなすことが必要です。クリーニングでも、家で洗濯するものと、クリーニング店に持っていくものは分けますよね? たとえば、歯科衛生士が行う歯のクリーニングなら、自分では磨にくい歯の奥や、歯肉の奥深くまで清掃してもらえます。きちんとしたクリーニングをすれば洋服も長持ちするように、歯もきちんとメンテナンスをすれば、若々しさも保てます」

歯科衛生士や歯科医を、パーソナルトレーナーと思えばよいのだ。また、日常的にセルフケアをし、歯垢をたまりにくくすることも大事だ。

「歯垢を抑制するためには、キシリトールが効果的であることがわかっています。キシリトールは歯垢中の酸を中和し、ミュータンス菌の活動を阻害します。また、キシリトール入りのガムを噛むことで、唾液の分泌も促進します」

口内健康を保つには、定期的なプロのケアに加えて、継続的なセルフケアが大切ということ。ちなみに、毎日のブラッシングで気をつけることは?

「歯ブラシは高いものにこだわるよりも、新品を使うほうが大切。換え時は悩むものですが、まず2本買う。1本を1週間使ってみて、その次の週はもう1本の新品を使ってみる。1週間使ったものと差を感じるようであれば、それはもう換え時ということです」

1本100円として、毎週交換しても月に400円。年間で5000円に満たない。将来むし歯や歯周病になることを考えれば、安い“投資”である。生活全般を支える歯の健康。まずは日々のケアから心掛けたいものだ。

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