身体にまつわる都市伝説 第204回

夏場の汗、拭きすぎに注意!?

2014.06.16 MON

身体にまつわる都市伝説


発汗は体温調整を担う重要な機能だが、一方で塩分など体に必要な成分を排出するため、熱中症のリスクを高めることがある 写真提供/PIXTA
これも温暖化の影響なのか、まだ6月だというのに猛暑が続くことも珍しくない昨今。梅雨時の湿気も重なるし、不快指数の高さに辟易している人も少なくないだろう。

これからますます汗拭き用のハンカチが手放せなくなるが、一方で、発汗は体温調節にかかわる重要な機能でもある。むしろ、汗をこまめに拭きすぎると、健康上はよくない気がするのだが、どうなのだろう? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「汗の蒸発による気化熱が、体温の上昇を抑える役割を持っていることは間違いありません。エチケット上許されるのであれば、汗はかいたらかきっぱなしにしておいた方が、体温調節のためには都合がいいともいえるでしょう。しかし、だからといって高温下で汗をかき続けることが健康的かというと、そうではありません。適切な補給をすることなく汗をかき続けることは、熱中症発生のリスクにつながるからです」

汗の蒸発によって、体の熱は逃げていく。だが、汗のなかには電解質など体に必要な成分も含まれている。大量の汗をかくことは、多量の電解質の流出を招き、これがまた熱中症発生の原因にもなり得るのだと須田先生は解説する。

「汗をかくと体内から電解質が流出しますから、真水でいくら水分を補給しても、十分とはいえません。むしろ、電解質を多量に失うことで体は水分を保持しにくくなり、最終的に体温のコントロールができなくなる危険性があります。熱を放散する働きがあるからといっても、発汗という生理作用だけでは熱中症の対策にはなりません。スポーツや外回りなどで大量の汗をかいたときは、スポーツドリンクなどで排出された電解質と水分を補い、一刻も早く涼しい環境に身を置くことが一番の健康対策でしょう」

汗をかきにくい人ほど、熱がこもって熱中症を起こしやすいのは事実ではあるが、汗による熱放散に期待しすぎてはいけない。無理をせず、汗をかかないよう涼むのが一番なのだ。
(友清 哲)

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