知ってるようで知らない「天候の不思議」/第10回

過去30年と比較 異常気象の基準

2014.07.03 THU


夏に雪が降る、といった仰天の天気だけでなく、暑すぎる夏も立派な異常気象 画像提供:gato/PIXTA
記録的な降雪や低温、そして大きな竜巻の発生など、滅多に見ないような気象現象が日本各地で発生した2012年上半期。「異常気象が…」などと言われたりもしますが、どこまでが“通常”の範囲で、どこからが“異常気象”なんでしょう?

「異常気象とは、本来数十年間に1度あるかないかの現象や、人が一生の間にまれにしか体験しない現象を指します。気象庁では、観測データを過去30年間の気象データと比較し、平均値から著しく外れた場合を“異常気象”と定義しています」

そう答えてくれたのは気象庁気象研究所の藤部文昭さん。現在は1981~2010年の気象データが平均値とされており、10年ごとに更新されるそう。

最近では、茨城の竜巻も異常気象にあてはまるのでしょうか?

「今年の竜巻は確かにインパクトがありました。しかし、気象庁では“異常気象”という言葉を竜巻のような瞬発的な現象ではなく、旬から月単位の偏りについて使っています。また、過去30年という期間をさかのぼってみれば、実は同じ程度の大きさのものがいくつも発生しているんですよ」

なるほど。竜巻で屋根が吹き飛ばされたというようなニュースはあまり見かけないので、すぐに異常気象だと思ってしまうけれど、我々の感覚と気象用語上の定義には隔たりがあるようです。ならば、どのようなものが異常気象として扱われているのですか?

「最近では、2010年の夏の猛暑があげられます。全国にある154の観測点のうち77カ所で8月の平均気温の史上最高を記録し、平年と比べると2.00℃も高かったんですよ」

確かに2010年の夏は暑かったことを覚えていますが、史上最高を記録したかは覚えておらず。夏はなんだかんだいって毎年暑いんで、今となっては最近起きた竜巻の方がインパクトを受けていたんですけどね。

藤部さんによれば、約半年にわたって台風が日本に上陸し続けた「2004年の台風集中上陸」なども異常気象として考えられているとか。このときは、2004年に発生した29個の台風のうちなんと10個もの台風が日本に上陸し、これまでの最高記録だった6個を大幅に更新したそうです。

異常気象の認定には、記憶に残るだけでなく、記録にも残らなければいけないみたいです。どちらにせよ、あまりありがたくないことが多いんですけどね。
(村上 広大)

※この記事は2012年7月に取材・掲載した記事です

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