地方の名物ならすぐ思いつくのに

東京都にも郷土料理はあるのか?

2014.07.12 SAT


写真提供/アフロ
「この街で食えないものはない!」と言っても過言ではないほど、食に関しても“るつぼ”と化しているのが日本の首都・トーキョー。北は北海道の「石狩鍋」から南は沖縄の「ゴーヤチャンプルー」まで。ちょっと探せばすぐに、各地方の郷土料理を扱うお店が見つかるわけなのだが…ここに意外な盲点が。

そういや“東京の郷土料理”って一体なんだっけ? ということで以下、調査結果です。

そもそも。農林水産省が識者の意見やアンケートをもとに選定した「農山漁村の郷土料理百選」によると、東京都の郷土料理に選ばれているのは「深川丼」と「くさや」の2品。そして、東京都が運営する「TOKYOTOURISM INFO」(www.kanko.metro.tokyo.jp)内の「東京の食事情/郷土料理と特産品」でも、この2品が紹介されている。ならば、やはり「深川丼」と「くさや」が東京を代表する郷土料理といえるのだろうか?

「これが難しいところなんです。一口に東京都といっても、都心とそれ以外の地域では、歴史や文化が大きく異なっており、その中から代表を絞る、ということ自体が不自然になってしまうんですね」(東京都産業労働局観光部企画課・石原さん)

確かに、地域ごとの差異もさることながら、全国から集まった人々で構成されている現在の東京では、誰もが認める一品を認定することの方が難しかろう。しかし知名度の高い「東京の郷土料理」が特定できない理由は、それだけではないようなのだ。

「郷土料理や特産物が地域振興に重要な役割をもつ地方の場合は、自治体をあげてPRをするので、結果、誰もが知っている郷土料理が生まれる、ということもあると思います。東京の場合はむしろ『全国の料理や文化が楽しめる』という点が特徴だったりするので、東京固有の名産だけにスポットが当たることがない、ともいえるんです」

郷土料理の知名度と地域経済に密接な関係があるとは面白い話。ならば開き直って“なんでもあり” が東京の郷土料理といってよいのかもしれませんな。
(石井敏郎)

※この記事は2012年01月に取材・掲載した記事です

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