4Kの普及もまだなのに

「8K」TV登場! その実力とは

2014.07.24 THU


放送・家電・通信サービスなどに関連する国内21社が参加する一般社団法人「次世代放送推進フォーラム」(NexTV-F)が5月に設立。“オールジャパン体制”でスーパーハイビジョンの推進を目指していくという
総務省は5月、現行のフルハイビジョンの2~4倍もの画素数となる次世代テレビ規格「スーパーハイビジョン」の推進を目指して、具体的なスケジュールをまとめた。地上波テレビ放送が「地デジ」に完全移行してから約2年。高画質なハイビジョン放送がようやく身近になったばかりなのに、早々と次世代テレビの開発・普及が進められるという状況だ。

スーパーハイビジョンとは、現行のフルハイビジョン(2K)の縦横2倍(3840×2160ドット)の解像度を持つ「4K」と、縦横4倍(7680×4320ドット)の「8K」の2つの規格のこと。まずは2014年に開催されるサッカーW杯に合わせて「4K」が、続いて2020年の五輪開催に合わせて「8K」の商用サービスが開始される予定だという。

「そもそも総務省がスーパーハイビジョンの推進を急ぐ理由は、国際市場における規格の競争力を確保するためです。かつて日本ではアナログハイビジョンが研究されていましたが、日本の技術力を恐れた他国がデジタルハイビジョンを採用した経緯があります。今回は同じ轍を踏まないように、早急に4Kおよび8K放送の規格を策定して、他国にそのフォーマットを売り込みたいと考えているのです」

と話すのは、テレビや放送業界に詳しい家電ジャーナリストの安蔵靖志さんだ。すでに「4Kテレビ」は各国の家電メーカーによって市販されているが、総務省が本命視しているのは「8K」だという。

「8Kの映像は圧倒的な高精細で、4Kですらはるかに及ばない映像美を堪能できます。さらに22.2chという圧倒的なサラウンド・サウンドも驚異的です。ただし、8Kは現時点ではかなり大型の画面サイズでしか実現できておらず、小さな画面ではすごさを実感できないという問題があります。個人的には、4Kなら40型(画面サイズ40インチ)、8Kなら55型(画面サイズ55インチ)ぐらいが、規格本来のスペックを体感するための最低ラインになるのではないかと感じています」

現時点で市販されている4Kテレビは、55型で50万円前後から。サイズ的にも価格的にも「高嶺の花」という感じだが、4Kや8Kへと国内の放送規格が変わったら、僕らはまたテレビを買い換えなきゃいけないのだろうか?

「必ずしもそうではないでしょう。アナログ放送から地デジへの移行の際に地デジチューナーの設置で対応した人が多くいたように、既存のテレビにチューナーを追加することで、2K→4K→8Kへの移行もできるはずです。ただし、4Kや8Kの映像を堪能したければ買い替えが必要。各メーカーとも、今後は大型テレビの主流が4Kに移行することを狙っています。今使っているテレビから買い換えるなら、現実的な買い時は4Kの試験放送がスタートする来年の夏以降でしょう」

「高画質すぎて、平面なのに飛び出して見える」とまで噂される8Kテレビ。一度体験してみたいものだけど、僕らの手が届くようになるのはもう少し先の話のようだ。
(呉 琢磨)

※この記事は2013年7月に取材・掲載した記事です

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