身体にまつわる都市伝説 第108回

人の体は“寝溜め”ができるのか?

2014.07.25 FRI

身体にまつわる都市伝説


「寝溜めをしたから大丈夫」などと、誤解して無理を重ねてはいけない。いつか、体に重大な変調をきたすことになるかも!? 体調管理も仕事のうちと考えて、適切な睡眠時間を確保する努力を 写真提供/PIXTA
残業を終えて帰宅したあと、録画しておいた番組をチェックしたり、あるいはパソコンや携帯電話をいじっていたら、あっという間にもう深夜。シャワーを浴びて寝床につくころには、「あと○時間しか眠れない…」と、睡眠不足が慢性化しがちなのが多忙なビジネスマン。

そこで週末には、たっぷりと寝溜めしておこうということになりがちだが、はたして人間の体は、本当に寝溜めができるような構造になっているのだろうか? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「休日にたっぷり眠っておけば平日は短時間の睡眠でもいいかというと、そうではありません。睡眠は心身の疲労回復を促すものであることに加えて、成長ホルモンをはじめ、寝ている間に生命活動を支える複数のホルモンが分泌されています。その意味で、睡眠はストックできるものではないといっていいでしょう」

ちなみに須田先生によれば、現代の科学をもってしても、人体における睡眠の役割はまだ十分に解明されていないのだという。

「最近わかってきたのは、睡眠には“記憶の再構築”を行う役割があるということ。パソコンでいうデフラグのようなものですね。私たちの脳は、認識している記憶と非認識の記憶を合わせると、毎日膨大な情報をインプットしています。ですから、デフラグをサボるとパソコンが不調になるように、睡眠が不足すると脳に過度の負担がかかり、ひいては脳から指令を受ける体全般に悪影響を及ぼすことになりかねません。ある哺乳類を用いた動物実験では、飢餓状態よりも睡眠不足の方が、最終的な致死率が高いという結果も出ているほどなんですよ」

つまり、睡眠時間は休日に1週間分を先取りしようとするのではなく、毎日適切に確保することが大切。これも仕事のうちと考えて、上手な時間管理を!
(友清 哲)

※この記事は2012年7月に取材・掲載した記事です

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