原因は意外にも裏側の臓器だった!

胃のムカムカが起こるのはなぜ?

2014.08.12 TUE


膵臓は胃の裏側にあり、大きさは幅3~4cm、長さ15~20cmほど。「リパーゼやジアスターゼなど、消化酵素を含む健胃消化剤を飲むことで胃もたれ・ムカムカが改善されるという人は、膵臓が衰えていることが考えられます」(佐藤先生)とのことなので、ひとつの判断基準にするのもいいだろう イラスト/山里將樹
年を重ねるにつれて、飲み会やガッツリ系の食事をしたあとに胃がもたれたり、ムカムカしたり…。そんな症状を訴える人が少なくない。加齢とともに油っこい食べ物が苦手になるなんて話もよく聞くけど、これって胃が衰えているからなの?

「いいえ。実は胃もたれや胃のムカムカの原因は、膵(すい)臓にあることが多いんです」

こう語るのはさとう消化器内科クリニックの佐藤栄一院長。膵臓といえば胃の裏側にある臓器だけど、それが原因とはいったい…?

「誤解されやすいのですが、食べた物の消化は胃ではなく、十二指腸や小腸で行われます。そもそも消化とは食べた物を化学的に分解し、吸収可能な小さな分子にすること。胃で行われているのは食べた物の一時的貯蔵と殺菌、タンパク質の初期消化だけなので、極端な話、胃がなくても消化そのものは可能なんです。そして膵臓の役割は、膵液という消化酵素を十二指腸内に分泌すること。この膵液によって、脂肪や動物性タンパク質が消化されます。ですから、膵臓が衰えて膵液の分泌が不十分になると、肉や油っこいものが消化されにくくなります。その結果、十二指腸内に食べた物がとどまるとともに、胃が食べ物を十二指腸に送り出せなくなり、重くもたれるように感じるわけです」

佐藤先生によれば、30~40代ごろから膵臓が衰え始めるほか、暴飲暴食・過度のアルコールなども膵臓に負担をかけるという。また、油っこい食事のあとや飲酒後などによく胃がムカムカして気持ち悪くなるという人は、膵炎の可能性もあるそうだ。

「膵炎とは、何らかの原因で膵臓が炎症を起こした症状。炎症にともない膵液が胃の周辺にしみ出すことがあり、それが周辺臓器にまで炎症を引き起こすため、痛みを感じたり、ムカムカして気持ち悪くなったりするんです。特に狭い範囲の上腹部や背中が痛む場合は、膵炎を疑った方がいいでしょう」

うむむ…、単なる胃の不調と甘く見てはいけないようだ。

「戦後、日本では食事が欧米化し、肉食中心のメニューや油っこい食べ物が好まれるようになりました。しかしこれらの食事は、古くから和食に慣れ親しんできた日本人の膵臓には負担が大きいんです。胃がもたれやすい、ムカムカしやすいという人は、和食中心の食生活に切り替えてみてはいかがでしょうか」

食事は欧米化しても、膵臓は欧米化できていないってことか。普段なかなか膵臓を気遣うことなんてないけど、これを機に食生活を見直してみては?
(糸数康文/Office Ti+)

※この記事は2011年08月に取材・掲載した記事です

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