アメリカでは3人に1人が“肥満”だとか

肥満率増加 職場での働き方と相関

2014.08.22 FRI


アメリカの成人肥満率は34.3%でOECD加盟30カ国中、最も肥満率が高い。対する日本は3.4%でOECD加盟国中、最も肥満率が低い (※OECD Health Data 2009 より) Fotoglafy / PIXTA(pixta.jp)
アメリカはまさに肥満大国。BMI(体格指数。体重÷身長の2乗で、20~24が標準とされる)が30を超える人は全人口のほぼ30%、つまり3人に1人は太りすぎといっても過言ではありません。そして肥満によって発生するコスト(医療費、生産性低下など)は推定2700億ドルと、とてつもない金額になっています。

一般論として、肥満は食べすぎと運動不足が原因ですが、「さすがアメリカ人?」と言いたくなるのが以下の調査。昔と比べ、職場で身体を動かさなくなったのが肥満の一因だと結論づけているのです。

ペニントン・バイオメディカル・リサーチ・センターのティモシー・チャーチ博士らは、農業人口が減少したミシシッピ州とウィスコンシン州の肥満率が高いことに注目、労働における運動量と肥満の関連性の調査に着手しました。

1960年から2008年にかけての、さまざまな職種における運動量とカロリー消費量を調査したところ、製造業の低迷に伴い、カロリー消費量が大幅に減少していることが判明。1960年代には約50%を占めた“中程度の身体的な活動を必要とする仕事”が現在ではわずか20%に減少し、残り80%は“ほとんど身体を動かす必要がない仕事”であることがわかったそうです。

今回の調査結果を受け、雇用者側には今後“従業員に対するなんらかの働きかけ”が求められるようになるかもしれない、と博士らは言っています。たとえば「スポーツジム加入者に補助金を出す」「公共交通機関の利用を推奨する」といったことですが、実際一部の職場では、座らずに立って仕事をするスペースを設けたり、トレッドミル(ランニングマシーン)がついた机を導入したりしている例もあるのだとか。

それにしても日本人の私からすると、アメリカ人は肥満の原因まで、自分ではなく、社会に責任を求めるのだなあという違和感を拭い切れません。確かに職場で身体を動かさないのは肥満の理由のひとつなのかも知れませんが、結局は個人の健康管理の問題なわけですし。それを「ジムの会費を支援しろ」だの、「職場に身体を動かす場所を作れ」だのと会社に対して要求するのは……でもそれがまさにアメリカらしさなのかも知れません。

ただ、それほどまでに肥満が深刻な社会問題になっていて、政治や企業が介入せざるを得ない段階まで来ているともいえます。

日本も国が旗振り役となってメタボ予防キャンペーンを行っていますが、これはあくまで国が“個人”に健康管理を訴えたもの。“個人”が“社会”に予防の手立てを要求するアメリカとは、やはり少々温度感が異なるようです。
(岡 真由美)

※この記事は2011年09月に取材・掲載した記事です

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