“売り物”の画像をスマホで接写…

「デジタル万引き」違法じゃない?

2014.08.25 MON


撮影自体が罪に問われるものではないが、無用なトラブルを避けるためにも、商品の撮影は慎むべきだ 写真提供/PIXTA
突然ですが、クイズです。TDRの「スプラッシュ・マウンテン」「タワー・オブ・テラー」「インディ・ジョーンズR・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」――この3つのアトラクションに共通する点はなに?

答えは、「アトラクション中に自動撮影され、後で写真を購入できること」。

アトラクション終了後、モニターに写し出された画像を購入できるわけですが、ここで気になる点がひとつ。

最近、この「モニターに写し出された画像」を携帯・スマホで接写する人がたくさんいるのです。買えば1200円以上するものが、スマホで写せばタダ。画質やら台紙の存在やらモノはまったく違えども、写っているシーンは同じ。これって、いわゆる「デジタル万引き」じゃん! …そう思っている人も多いのでは?

ところがこの行為、(法律家によって見解は分かれるでしょうが)必ずしも「犯罪」とはいいきれません。モニターに写し出された「サンプル画面」を“自分が見て楽しむ範囲”で撮影する分には犯罪にあたらない、と考えられるのです。

「でも、人の物を盗んだら、窃盗罪になるはず。それと同じでは?」という疑問が浮かぶかもしれません。確かに、“情報を写真に撮って持って帰る行為”は「デジタル万引き」と呼ばれ、書店やコンビニで問題視されていますね。情報誌を立ち読みして、自分のほしいページだけ撮影して持ち帰られては、店側としてはたまらないでしょうし、私としても、道義的には慎むべき行為だと思っています。

ただ、法律的にどうかといえば、“単に情報を盗むだけ”では犯罪にならないと考えられているのが現状です。つまり、これらの行為は「デジタル万引き」という呼び名に反して「窃盗罪」にはあたらないのです。

でも、「窃盗罪にならなくても、著作権侵害になるのではないか?」と疑問を持つ人もいるかもしれません。著作権とは、簡単にいえば「著作物を自分だけで独占して利用し利益を受ける権利」のこと。

アトラクションの写真については、そもそも「著作物」にあたるかという点も議論の余地があるでしょう。仮に「著作物」だとしても、著作権法では「個人的に楽しむ範囲であれば複製してもよい」とされているので、商品として販売されている記念写真のサンプル画像であっても、“個人的に楽しむ範囲内”であれば、撮影しても「違法ではない」と考えられます。

とはいえ、撮った写真や情報を友達などに送信すると著作権侵害になる可能性が高いですね。また「撮影禁止」と書いてあるにも関わらず撮影などしてお店の営業を妨害すると、お店の「施設管理権」等を侵害する可能性も。いずれにせよ、たとえ法的にはNGでなくても、これらの行為がマナー違反なのは間違いないこと。皆さん、注意しましょうね。
(佐藤大和弁護士/アディーレ法律事務所)

※この記事は2013年8月に取材・掲載した記事です

  • 弁護士法人 アディーレ法律事務所
    佐藤大和弁護士(東京弁護士会所属)。
    子どもの将来を守るための法教育に注力する一方で、弁護士を身近にするべくテレビ・雑誌などに多数出演。2012年からは、静岡英和学院大学短期大学部の非常勤講師として、民法の講義を担当している

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト