身体にまつわる都市伝説 第114回

「痛みは冷やして治す」は大間違い

2014.09.14 SUN

身体にまつわる都市伝説


昨今のランニングブームで、ケガや痛みに悩まされている人も少なくないだろう。そのつど適切な処置を行うことが、運動を長続きさせることにもつながるはずだ 写真提供/PIXTA
先日、日頃の運動不足を解消しようとおもむろにランニングをはじめたところ、両膝の外側がビリビリしはじめた。すぐに冷やして対処したので大事に至らなかったが…これは気をつけないと。

「ちょっと待ってください。異変を感じたらすぐに冷やす、というのは必ずしも正解ではありませんので注意が必要ですよ。まずは痛みの原因を突き止めることが先決です」

そう解説するのは、『やってはいけないランニング』(青春新書)の著者で、ACAF認定アスレチック・トレーナーの鈴木清和氏だ。捻挫や打撲はとにかく冷やすのが一番だと思っていたが、これは誤解だった?

「たしかに一般的に、アイシングを含めた応急処置の基本として“RICE(ライス)”が推奨されています。これはRest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)、それぞれの頭文字を取ったものです。しかし、たとえば周辺の筋肉の緊張によってじん帯が炎症を起こしているような場合は、冷やすよりも温めて緊張をほぐすべきなんです。一概になんでも冷やせばいいわけではないんですよ」

なるほど。痛みを引き起こす原因によって、対処法が変わるのは当然のことだ。まして鈴木氏によれば、ランニング中のヒザ痛などはとくに、ヒザ以外の周辺の筋肉に遠因があるケースが多く、素人目には原因が見極めにくいという。

たとえば不適切なフォームが原因でヒザ痛が発症している場合、アイシングで炎症を抑えたところで、再び同じフォームで走り始めれば同じ痛みが再発してしまうだろう。大切なのは、痛みを感じる部分だけでなく、体全体の動きとの関連を考えて、その原因を見つけだすことなのだ。

「痛みの原因となっている部位を探すひとつの対策として、私は20分ほどじっくり湯船に浸かることをお勧めしています。体全体の筋肉の緊張がとけると、本当に冷やすべき部分は痛みが増してくるんです」

体に異変を感じているなら、面倒でもシャワーで済ませたりせず、湯船に浸かる習慣をつけよう。小さな怪我が大きな怪我につながることもあるので、くれぐれもお気をつけて。
(友清 哲)

※この記事は2012年9月に取材・掲載した記事です

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