保険会社の提示額を鵜呑みにするな!

交通事故被害の保険金は増額できる

2014.09.20 SAT


警視庁の統計によれば、交通事故は年間約70万件発生している(2012年) 写真提供/PIXTA
弁護士事務所に寄せられる相談の中でも多いのが「交通事故」に関するもの。

たとえば、「自動車で停車中に後ろから追突され、むち打ちの症状が残った。加害者の加入していた保険会社が慰謝料などを払ってくれるというが、思っていたよりだいぶ安い金額を提示された。金額の算定に納得できないが、なんとか増額させることはできないか?」という相談。果たしてこうしたケースで、受け取り金額をUPさせることはできないのでしょうか?

結論から言うと、これは増額を勝ち取る余地がかなりあります。

交通事故に遭うと、加害者側が加入している保険会社が治療費・休業損害・慰謝料等を算定し、保険金が支払われるもの。後遺症が残った場合は別途、逸失利益(将来の損失を補償)や慰謝料も受け取れます。

ですが、たいていの場合、保険会社からの提示金額は「かなり低め」。にもかかわらず、「保険会社は事故のプロ」というイメージが強いせいか、被害者も提示金額をそのまま受け入れてしまうケースがほとんど。さらに「示談金」は「交渉で増額する可能性がある」ことすら知らない人も非常に多いのが実情です。

実は、休業損害や慰謝料・後遺障害に基づく補償は、「このケースであればいくら」という相場が裁判所でもおおよそ決まっているもの。ところが保険会社の提示額は、その“相場”より著しく低いことが多いのです。さらに保険会社は「専業主婦の休業損害は認めない」ことが多いのですが、法的には「専業主婦も休業損害を請求しうる」。泣き寝入りは禁物というわけです。

また、事故後、治療通院をしても後遺症が残ってしまったら、正当な「後遺障害の認定」を受けることも重要。症状の重さによって「等級」が決まっており、一番低いもので14級(むち打ち症の比較的軽度のものなど)。14級の認定を受けるだけでも、裁判所基準の慰謝料は110万円。12級(むち打ち症のやや程度の重いものなど)なら290万円と金額が大幅にUPします。

等級認定を受けるためには、「いかに資料を揃えるか」がポイントなので、保険会社任せにせず、請求者側でしっかり資料を揃える必要があります。金額の交渉も、法的主張をぶつけることで増額する可能性があるのです。

交通事故の保険金は、「弁護士を立てて交渉するメリット」が非常に大きく、費用倒れの懸念も少ないですが、やはり「弁護士費用特約」が使えるとベスト。「弁護士費用特約」とは、交通事故の被害者が、加害者やその保険会社に対する損害賠償請求(示談交渉・訴訟等)を弁護士に依頼した場合に必要となる弁護士費用を、加入している保険会社が負担するという大変優れた特約です。

「でも、自分の保険を使うと、結果的に自分の保険の等級が下がってしまい、保険料が上がってしまうのでは?」と心配する人もいるかもしれませんが、弁護士特約の利用で等級が下がることはないので心配ご無用。

いざという時に備え、ご自身や家族が加入している火災保険や自動車保険に弁護士費用特約が付いているか、確認しておくとよいでしょう(※家族名義の保険でも使用できるケースがあるため)。
(篠田恵里香弁護士/アディーレ法律事務所)

※この記事は2013年9月に取材・掲載した記事です

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