日本1周ご当地不思議巡り/第20回

熊本県、馬肉消費1位の理由

2014.09.25 THU


別名、桜肉とも呼ばれる馬肉をネタにした寿司。軍艦は馬肉と納豆を合わせた「さくら納豆」と呼ばれるネタで、これが口の中で絶妙に絡み合うんです。一度ご賞味あれ!
スイカやナスの一大産地として知られる熊本県。そんな熊本県の支出額で、一つ気になるデータを見つけました。

他の生鮮肉348円/月:全国1位(総務省「平成21年 全国消費実態調査」)

「他の生鮮肉」とは、牛でも豚でも鶏でもない肉のこと。では熊本県では何の肉を食べているのか? 食通の方ならもうおわかりですね。答えは「馬肉」。熊本県は馬肉を食べる文化が根付いているのです。それも全国の消費量の約半分を熊本県が占めるほど。

実際、熊本県を訪れると、たくさんの馬肉料理屋を目にします。焼肉屋のメニューにも馬肉があるのは当たり前。馬刺しや馬肉寿司もあちこちのお店で供されています。スーパーでも牛・豚・鶏と一緒に馬肉が並び、熊本県民には身近な存在であることが窺えます。スーパーで聞きこみ調査をしてみると、カレーや肉じゃがに馬肉を使う人も多いのだとか。いったいなぜ熊本県民はこんなにも馬肉好きなのでしょう?

現地で取材してみたところ、馬肉文化が広まった背景には諸説ある模様。ただ、寛政元年(1789年)に創業した老舗馬刺し専門店「菅乃屋」さんによると、加藤清正が広めた説が有力だそう。

加藤清正といえば、豊臣秀吉配下の有力武将。そんな戦国武将がなぜ馬肉を…と不思議に思うかもしれませんが、実は清正が馬肉の味を“発見”したのは朝鮮出兵(文禄・慶長の役)の際。現地で苦戦して兵糧も尽き、仕方なく食べたのが“死んだ馬の肉”だったのです。ところが思いのほか美味しかったので、帰国後に広めたというわけ。

また、清正が肥後の国(現在の熊本県)を治めていた頃、食料生産に恵まれなかった当地では、馬も貴重な食材だった様子。そうした背景もあり、長い年月をかけて美味しい馬肉の食べ方が生み出されていったのですね。

ちなみに余談ですが、牛の生肉は規制されてしまいましたが、馬刺しは規制対象外。熊本の馬刺しは本当に絶品でしたよ。
(長谷川浩史/梨紗)

※この記事は2012年9月に取材・掲載した記事です

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