身体にまつわる都市伝説 第169回

「低血圧だから朝が弱い」は迷信?

2014.10.07 TUE

身体にまつわる都市伝説


低血圧の症状に、眠気や倦怠感があるのは事実。だからといって、低血圧が必ずしも「朝に弱い」ことの言いわけにはならないのだ 写真提供/PIXTA
朝、目覚まし時計に叩き起こされ、寝ぼけ眼のまま仕度を整えて出社。なんとか遅刻は免れたものの、午前中はどうにもエンジンがかからない…。そんな人、少なくないのでは?

人間というのはどうやら、朝に強い人と弱い人に二分されるようだ。よく、「自分は低血圧だから朝弱くて…」と耳にするように、血圧が関係しているのだろうか? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「低血圧とひとくちにいっても、その種類は様々です。『低血圧だから朝が弱い』ということもたしかにあり得ますが、ひとくくりにしてしまうのは乱暴かもしれませんね」

血圧とは動脈にかかる圧力のこと。須田先生によると、低血圧はまず、慢性のものと急性のものに大別される。このうち急性低血圧は、何らかのショックや自律神経障害によって引き起こされるものなので、起床時など慢性的に影響を及ぼすものではないといえるだろう。

「そして慢性低血圧もまた、症候性低血圧、体質性低血圧、本態性低血圧症の3種類に分類されます。このうち、症候性低血圧は脱水など原因が特定されるものであり、体質性低血圧は体質的に血圧が低いけれどとくに症状が現れないものを指しますから、いずれも慢性的に朝が弱いことの理由にはなりませんね」

つまり、少なくとも低血圧の人すべてが朝に弱いわけではないわけだ。では、残る「本態性低血圧」の場合は…?

「『本態性低血圧症』の症状を医学書からひもとくと、眠気を覚えたり頭がぼーっとしたり、あるいは倦怠感に襲われたりといった状態が規定されています。つまり、寝起きの睡魔を踏まえれば、いわゆる朝の弱い低血圧の人に該当します。ただし、低血圧だから朝が弱いというよりも、もともと低血圧の症状を抱える人が、朝もそうした症状に悩まされている、といった方が正確でしょう」

結論として、日中や夜は目が冴えているのに朝だけは起きられないという人は、低血圧とは別の原因を探してみるのが賢明なようだ。
(友清 哲)

※この記事は2013年10月に取材・掲載した記事です

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