旬のサンマ、野菜、お酒の新しい飲み方にも

独身男子流「塩レモン」活用術

2014.10.01 WED


サンマのフィレの塩レモン挟み焼き。一度食べたらやみつきになる味だ
“魔法の新調味料”、なんて紹介されることもある「塩レモン」が話題だ。塩レモンとは文字通り、レモンを塩漬けにしたもの。2012年にグルメ雑誌で紹介されて注目を集めはじめた。ほとんどの食材と相性が良く、使い勝手の便利さも人気を集める理由のひとつのようだ。

そんな噂の「塩レモン」とはいったいどんなものなのか、「塩レモン健康法」(学研パブリッシング)の著者でもある管理栄養士の赤坂みちよさんを訪ねた。

「レモンを塩に漬けて保存する方法はモロッコでは古くから行われていて、それが欧米にも伝わり、19世紀ごろのレシピ本にも記されていると聞きました。もちろん現在もタジン鍋やサラダなどに調味料として使われています」

最近、耳にするようになった「塩レモン」だが、実は歴史のある調味料のようだ。ただし伝統的なレシピによると、レモンに切り込みを入れて塩をたっぷり詰めて漬け込むという。これでは塩分が多すぎるのと、使うたびにレモンを取り出して切らなければならないので不便。そこでくし型にカットして漬ける方法に改良し、塩もレモンの重さの1割、つまり10%に減らした。赤坂さんは、これを「塩レモン」と名づけて紹介した。

「最初は伝統のレシピ通りやってみたんですが、割合でいえば塩分が30~40%になって、塩辛すぎました。10%というのは、減塩タイプの梅干の塩分が目安です。それと、塩レモン10g(約小一切れ)なら、それに含まれる塩分は約1gと計算しやすいことも考慮に入れました。経験から10%塩分でも清潔に保ち、冷蔵すれば1年は保存が利くことがわかりました」

レモンを皮ごと漬けるので、種以外、皮も実もつけ汁もすべて使える。そして何より、料理の手間がかなり省けることも魅力といえそうだ。 

「例えば肉と野菜の炒めものなら、食材に下味をつけないで炒めて、仕上がりに刻んだ塩レモンを散らすだけでOK。あるいは塩レモンのつけ汁につけて食べてもよいと思います。また、お酒のシメには、塩レモンおにぎりがおすすめ。炊き立てご飯に刻んだ塩レモンをまぜて握るだけ。梅干しとはまた違ったレモン風味の塩気は、ご飯との相性がいいようです」

男子メシの強い味方になりそうだ。では、実際の塩レモンの味は? 赤坂さんがオーナーを務める「カフェ・ビーンズ」のメニューを味わってみた。食べてみたのは、サンマの塩レモン挟み焼き。これは正直クセになる味。かぼすやすだちなどを搾って食べるのにも少し似ているが、よりサンマの味自体を引き立ててくれる。レモンなので酸味が主役だと思っていたら、むしろ素材自体が持つ味を引き出す役割をしてくれるようだ。

「塩レモンは夏は1カ月、冬は3カ月ほど漬けると発酵して、あの強い酸味と苦みがとてもマイルドになります。レモンの爽やかな風味は生きていて、どんな食材とも相性がよいので料理のレパートリーは無限大に広がると思います」

また、汁物、鍋料理でも、出汁のうまみを利用して塩や醤油を使わずに料理し、最後に塩レモン(刻むかピュレにしたもの)を添えるようにすると、少ない塩分でもおいしく感じられ、減塩になるという。

「これはお店の常連さんの意見ですが、焼酎に塩レモンの切れ端を少し入れて飲むと風味がぐっと広がるそうです。いろんなお酒を試したところ、焼酎が一番相性がよかったそうです」

なんと、お酒にまで使えるとは。ちなみに、皮ごと漬けるので自分で作る際には無農薬レモンがおすすめとのことだ。
(駒形四郎)

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