身体にまつわる都市伝説 第220回

女性は出産で体質が変わる?

2014.10.15 WED

身体にまつわる都市伝説


女性は妊娠出産のプロセスで、ホルモンバランスの劇的な変化を体験する。それが出産後の体質変化につながっている可能性は高い 写真提供/PIXTA
めでたく子供を産んでお母さんになった女性が、「出産のあと、花粉症の症状が治まった」と気になることを言っていた。妊娠するとつわりが始まったり、食の好みが変わったりすることはよく知られているが、出産を機に体質が変わることは本当に起こり得るのだろうか?

「詳しいメカニズムは判明していませんが、私たちの経験からしても、妊娠・出産を機に体質が変わるケースは珍しくありません。たとえばアレルギーが治ったり、逆にアレルギーが発症したり、あるいは痩せにくい体質になるなど、様々な例があります」

そう語るのは、産婦人科医の富坂美織先生だ。とくに「痩せにくくなった」ケースを含めると、出産を経験した女性が体質の変化を訴えるケースは決して少なくないという。それはなぜなのか?

「妊娠すると体内のホルモンバランスが大きく変わり、それが産後は元に戻るという、劇的な変化が起こります。そのうえ、妊娠中は胎児を育てるため、免疫の状態が変わります。出産後、膠原病(こうげんびょう)という自己免疫疾患を患うケースがあるのも、これが原因と考えられています。ホルモンバランスは体の環境を司るものですから、体質の変化につながったとしても不思議ではありません」

やはり出産というのは母体に大きな負荷を強いるもの。その影響は体質面以外にも、意外と多岐にわたる。

「たとえば有名なのはマタニティブルーズ。分娩直後から産後7~10日ほどの間に見られ、妙に感傷的になったり、意味もなく涙が出たり、頭痛や不眠に悩まされたり。一時的に精神状態が変わって様々な症状が表れます。これは急激なホルモンの変化に加え、出産による極度の疲労、そして母親になったことで精神的な負担が増したことも原因でしょう」

花粉症が治るなんてうらやましい、などと男はお気楽に考えてしまいがちだが、実際には産後の症状に苦しんでいる人も大勢いる。

我が子の誕生は、きっと大きな感動をもたらす貴重な体験となるはず。でもその過程には、並々ならぬ母体への負担があることを、男子諸君は忘れてはならないのだ。
(友清 哲)

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