身体にまつわる都市伝説 第175回

スポーツの才能は幼少期に決まる

2014.11.18 TUE

身体にまつわる都市伝説


年齢とともに、筋肉や神経の機能が低下することはやむを得ない。しかし、適切なトレーニングによって最大限にフィジカルを鍛え、大人ならではの知見をもって挑戦することは、決して無意味ではないはずだ 写真提供/PIXTA
スポーツの世界では、幼い頃から英才教育を受けてきた天才肌のアスリートがしばしば現れる。…というより、成人してから始めた競技で大成功を収めるようなケースは、あまり聞いたことがない。

仮にもし、僕らが今から新たなスポーツを始めたとしても、やはりもう大成は望めないのだろうか? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「筋肉や骨などと同様に、神経もまた、生後から成長とともに発達を続けていきますが、成人以降はゆるやかに機能が低下していくものです。それを踏まえれば、運動神経というものが、20~30代になってから著しく伸びることは考えにくいでしょう」

うーん、残念。つまり、大人になってから体操やフィギュアスケートで世界を狙おう…なんて思い立っても、さすがに無茶というわけだ。

「ただしスポーツというのは、単に筋肉の量や神経の機能によってのみ能力が決まるわけではありません。経験や知性、競技に対する理解の深さなどが大きく関わる分野でもあります。その意味では、大人になってから始めた競技でも、人生のなかで培われた経験や知識が生かせるケースはあるかもしれません」

たとえば、物理の法則を熟知している人は、より効率的な力の入れ方がわかるかもしれない。あるいは、柔道に“見取り稽古”があるように、長年観戦しつづけてきた競技については、実戦経験がなくても少なからず知見が備わっているはず。

「そういった年齢を重ねているからこその武器を、うまく実践に反映することができるなら、大人になった今からでも、上達が見込める競技があるかもしれません。神経機能の低下を、ロジックでカバーすることは可能なはずですよ」

もし、挑戦したいスポーツがあるのに、年齢的なことで二の足を踏んでいるのだとしたら、必ずしも悲観する必要はない。少なくとも趣味で楽しむレベルであれば、むしろ子どものころよりも覚えが早い可能性だってある。体がついて来られればの話ですけどね…。
(友清 哲)

※この記事は2013年11月に取材・掲載した記事です

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