2人なら乗り越えられる…?

夫婦共働きローン返済の注意点

2014.12.17 WED

共働きで住宅ローンを返済するのは、非常に大きなメリットがあります。ふたりの収入で返済していけるわけですから、単純にいえば返済パワーは2倍。さらに、子どもの教育資金や老後資金の準備なども2倍のパワーで行っていけるので、家計に余裕を持たせられる可能性も高いといえるでしょう。

しかし、大きなメリットがある半面、注意点が2つあります。

まず1つ目は、返済能力が高い分、借りすぎてしまう危険性がある点です。例えば、夫の年収が500万円で、妻の年収が400万円のような場合、世帯年収は900万円になるので、それだけ借りられる金額は増えます。

年収500万円の夫が1人でローンを組む場合、ローン審査の計算上の借入金利を4%と仮定し、35年返済で返済負担率(=年間返済額÷年収)35%まで借りられるとすると、借入限度額は3280万円程度になります。これを同じ条件で世帯年収900万円として計算すると、借入限度額は5920万円まで跳ね上がるのです。

仮に1000万円程度の頭金を準備できると、夫が一人でローンを組む場合は諸費用込みで4280万円程度の物件が限度ですが、共働きなら諸費用込みで6920万円程度の物件まで購入可能となるわけです。

購入可能な物件価格が高くなれば、立地条件のいい物件や、床面積の広い物件などに目がいきがちです。大きな気持ちになって実際に買ってしまうと、共働きで通常よりは余裕が持てるはずなのに、借りすぎてしまうことで共働きでも生活が苦しくなる場合もあるのです。

そして2つ目は、共働きを続けられなくなる可能性がある点です。妻の収入は、出産や育児などで一時的に減少する可能性がありますし、一時的な減少では済まず、復職後の収入も減少したり、そもそも復職自体ができなくなったりする可能性もあります。

そのような事態が起きると、もともと妻の収入も当てにして収入合算でローンを組んでいる場合は、返済が苦しくなり、最悪、返済が滞る状態に陥ってしまうかもしれません。

したがって、共働きでローンを組む際は、妻の収入が返済終了まで確実に期待できるのかどうかを冷静に判断する必要があるでしょう。出産や育児などで復職できない可能性が少しでもあるなら、いくら共働きでも、妻の収入は期待せずに、夫のみの収入で確実に返済できる金額だけを借りるようにすべきです。

そうすれば、借りすぎてしまうこともないでしょうし、万一、妻の収入が期待できなくなっても、返済が滞るようなことにはならないでしょう。そのような安全な資金計画を立てることができれば、妻の収入が安定的に得られる間は、繰り上げ返済や貯蓄に回す資金的な余裕ができますので、共働きのメリットを十二分に生かすことができるはずです。
(ファイナンシャルプランナー菱田雅生)

※この記事は2010年12月に取材・掲載した記事です

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト