最低限おさえておきたい心構えと常識

人が倒れていた時の対処法9項目

2014.12.14 SUN


外傷、出血があった場合、そこにのみ注意がいきがちになるが、重要臓器である脳、心臓、脊椎などが機能しているかどうかも重要 ※画像はイメージです 画像提供:kawai/PIXTA
もし、目の前で人が倒れていたら、あなたはどう対処するだろう? 救急救命の知識があれば実践するところだが、そんな知識を持っている人はなかなかいない。救急車を呼んだら、一刻も早い到着を祈るばかり…という人が多いのでは? そこで「倒れている人に遭遇した」場合に備えて覚えておきたいことをまとめてみた。

〈目の前で人が倒れていたとき、必要な行動・心構え9項目〉
(監修:田村装備開発・長田賢治氏)
□自分では助けられないと決めつけない
□通報済みだろうと決めつけない(すぐに通報する)
□安全が確認できない状況での救命・救助は行わない
□倒れている人だけにとらわれない
□血液には直接触れない
□闇雲に動かさない
□一人で対応しない
□マイナス思考にとらわれない
□焦らない

これは救助者の安全も考慮した“最低限おさえておきたいポイント”であり、これで十分というわけではないので誤解のなきようお願いしたい。心肺蘇生法などの救命処置の方法は、防災訓練などの折に専門家の指導を受けておくに越したことはないだろう。

〈解説〉
□自分では助けられないと決めつけない
たとえ救命・救助処置の知識がなくとも、周囲の助けを呼ぶこと、救急車を呼ぶこと、AEDを持ってくること、人や車の流れを整理することなどはできる。

□通報済みだろうと決めつけない(すぐに通報する)
すでに周りに他の人がいると「先に誰かが救急車を呼んでいるだろう」と考えがち。しかし、周りの人も同じように考えていたらとりかえしがつかない。現場で通報した人を確認できないかぎり「通報は済んでいる」と判断してはいけない。

□安全が確認できない状況での救命・救助は行わない
救命・救助中の事故により新たな要救助者が発生すれば、更に多くの人手が必要になってしまう。救急・救命は周囲の危険を排除、防止し、救助者の安全を確保してから行わなければならない。

□倒れている人だけにとらわれない
人間の視野は、緊張状態になると対象に集中するため狭くなるという特性がある。意識的に周囲にも目を向け、刻々と変わる状況を把握することが必要だ。

□血液には直接触れない
米軍の衛生兵には「血液は糞よりも汚い(と思え)」という言葉がある。重篤な感染症をもたらす可能性のある血液は触れるべきではない。
感染は傷口や、粘膜を通して行われる。傷がないように思える手にも、ささくれレベルの気づかないような“侵入口”は存在する。口や眼球に血液が飛び散ることにも注意が必要。

□倒れている人を闇雲に動かさない
自動車によるひき逃げ事故、転倒による事故、持病の発作、通り魔による外傷などその人が「倒れている原因」により、適切な救命・救助の処置は異なってくる。安全確保のため、動かすことがやむを得ないのであれば、頸椎や脊椎などを固定するか、極力負担をかけないようにすべき。

□一人で対応しない
成人男性を人力で搬送するには2~3人は必要になる。たとえ心肺蘇生法の心得があったとしても一人で続けることは困難。周囲の野次馬の整理にも人が必要になる。そのため自分で救助をしつつ、協力者の確保も忘れてはならない。困難な状況のなかでも、冷静な言動を
保ち、周囲の人とコミュニケーションをとり、協力しあう態勢を整えることが重要である。

□マイナス思考にとらわれない
救急隊員が到着するまでの間、倒れている人の容態が回復しないと不安になるだろう。しかし、そこでマイナス思考にとらわれてしまうと適切な処置ができなくなってしまう。「患者をはげますよう、声をかけ続ける」こと。これは患者のためでもあり、また救助者が助けるための意欲を低下させないためにも大事なことなのだ。

□焦らない
マイナス思考にとらわれることと通じるが、焦ることもまた禁物。救命法に詳しい人が他にいないかぎり、あなたが行動するしかない。焦りは患者を助ける行動の妨げになるからだ。なお、心肺蘇生のガイドラインは2005年と2010年とでは大きな違いがある。しかし、現場でどの知識が正しいかで迷う時間はない。どのような救命措置であれ1秒でも早く、継続して行うことが大切だ。

繰り返しになるが、本来であれば救急救命の知識を持っていないと適切な判断は難しい。消防庁などが各種講習会などを実施しているので、体験しておくのがよいだろう。
(文・構成:即応予備自営ライターU)

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