家計の破たんは家庭の破たんに!

新婚時の住宅購入 注意点は?

2015.01.22 THU

住宅取得に関する相談業務をしていますと、「新婚生活は、買ったばかりのマイホームでスタートさせたい」と考えているカップルに出会うことがあります。

そんなカップルが、ラブラブな雰囲気いっぱいで相談に来られると、甘い新婚生活を思い描いているところに水を差すのはとても心苦しいのですが、結婚と同時もしくは結婚1、2年目などの早期に住宅の購入を検討する場合は、注意すべき点がいっぱいあることを必ず伝えています。場合によっては、購入する時期を再検討すべきだとアドバイスするケースもあります。

さて、その注意点についてですが、最も大きなものは、新婚当初は家計の収支状況が安定していないため、住宅購入後の住居費にあてられる金額が見積もりにくい点が挙げられます。住居費にあてられる金額が明確にならないと、どの程度の物件価格まで安心して買えるのかを求めることができません。住宅ローンの返済が始まってから、その負担の重さに気づいても手遅れです。

したがって、どうしても住宅を購入したいのであれば、結婚後の生活費をできる限り細かく見積もって、住居費にあてられる最大の金額というものを明確にすることが大切です。

また、その際は、基本的に夫の収入だけで生活していく場合を想定して、金額を見積もるべきだといえます。新婚当初は共働きであるケースが多いと思いますが、子どもを作らないと決めているカップルを除くと、すぐに子どもが生まれるかもしれませんし、出産後に復職する予定だった妻が何らかの理由で働けなくなってしまうかもしれません。そうなったときに返済が厳しくなるような資金計画だと、家計を維持するのが困難になりますし、最悪の場合、家計が破たんしてしまうからです。

具体的な見積もり方法としては、現在の夫の生活費(食費や光熱費等)の1.5~2倍程度を結婚後の生活費として見積もったうえで、夫の手取り収入から予想した生活費を差し引き、最低でも毎月2万~5万円程度は貯蓄できるような住居費負担を逆算してみる、というのがひとつの方法です。

当然ながら、求められた金額が少ないほど、安全な資金計画で購入できる物件価格は安くなります。夫が20代であれば、30年返済や35年返済などの長期の返済期間でローンを組んでも危険性が比較的低いというメリットがありますが、その一方で収入が少ない分だけ毎月の返済可能額も少なくなるというデメリットがあります。

現状が共働きだと、2人で返済していくことを前提に、高額な物件の購入を目指してしまう傾向にありますが、結婚したばかりのカップルほど、将来のライフプランの不確定要素が多いことを十分に認識し、共働きを前提にはしない方が無難でしょう。

最近は、頭金が少なくても住宅を購入できる時代になりました。だからこそ、注意しなければならない点があります。これまであまり貯蓄をしてこなかったカップルほど、結婚後は強い意志を持って貯蓄を継続できるような家計にする必要があります。

共働きの2人だけの生活であれば、貯蓄が少なくても何とかなるでしょうが、子どもが生まれると状況は一変します。子どもにかかる生活費だけでなく、将来の教育費の準備が必要になってきます。子ども1人あたりでも1000万円から2000万円は教育費がかかるといわれるご時世ですので、住宅ローン等の住居費を支払いながら、きちんと貯蓄のできる家計にしておかないとダメなわけです。当然、夫婦の将来の老後資金の準備も必要ですから、毎月の貯蓄は非常に重要になります。

やはり、これらのことを考えても、新婚で家を購入する場合の資金計画は、夫のみの収入で購入できる物件を探し、共働きの妻の収入は全額貯蓄に回せるような計画の方が安全だといえます。もし子どもが生まれたあとも共働きを続けられるようであれば、妻の収入からの貯蓄を繰り上げ返済に回すこともできるでしょうし、教育資金や老後資金を着実に貯めていくことが可能なはずです。

新婚のうちから子どもの教育や老後なども含めて長期のライフプランを考えることは困難かもしれませんが、住宅の購入を検討する場合は、そのくらい長期のライフプランを具体的に考えることが必要になるのです。甘い新婚生活を思い描いているだけだと、住宅購入は失敗に終わる可能性が高まります。新婚カップルほど、慎重かつ冷静に資金計画を立てることが重要だといえるでしょう
(ファイナンシャルプランナー菱田雅生)

※この記事は2012年06月に取材・掲載した記事です

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