なんでもかんでも「冷え」のせいにするのは危険!

「冷え性だと生理痛が重い」は誤解

2015.01.09 FRI


医学的には、冷えたからといって生理痛がひどくなることはありませんが、もし自分自身が気持ちいいと感じるなら、温めてみるのもいいかもしれません。 画像提供:ghostrider / PIXTA(ピクスタ)
一年でもっとも寒いこの時期、「冷え性」に悩まされている女性は多いですよね。「冷えは万病の元」とも言われますし、女性の場合は生理痛がひどくなるという話も…。確かに、使い捨てカイロなどでお腹を温めると、生理痛が緩和する気もしますが、「冷え」と「生理痛」にはどんな関係があるのでしょうか? イーク表参道・丸の内の産婦人科医・長西美和先生に聞きました。

「実は、身体が冷えると生理痛がひどくなるという相関関係は医学的には無いんです。生理痛の原因は、子宮内膜で作られるプロスタグランジンという物質にあり、身体が冷えたからいってこの物質が増えるわけではありません。よく婦人科系の病気と冷えの関係を聞かれることもあるのですが、これも関係ありません」

プロスタグランジンという物質には子宮を収縮させる作用があり、生理痛はこの“収縮”が原因。痛みの感じ方が人によって違うのは、プロスタグランジンの作られる量が人によって違うため。そのほか、生まれつき子宮頚管(けいかん)が狭いことによって痛みを強く感じる人も稀にいるそう。

「生理痛に関して特に気をつけてほしいのは、以前はそれほどでもなかったのに、最近生理痛がひどくなった、生理の量が増えたという人ですね。子宮筋腫やポリープ、子宮内膜症によって、生理が重くなった可能性が考えられるので、一度診察をしてもらったほうがいいと思います」

生理の量や痛みの変化は、子宮の病気のサインかもしれないということ。また、生理痛がひどい場合は、プロスタグランジンの生成を抑える作用がある鎮痛剤や、生理痛を緩和してくれる漢方薬を病院で処方してもらったほうがベター。同じく医師の処方が必要な低用量ピルも効果的だとか。低用量ピルを飲むと子宮内膜が薄くなり、プロスタグランジンの産生量が減って生理痛が軽くなるそうです。気分の問題を別にすれば、温めても痛みは和らがないんですね。

ちなみに、「冷え性という病気は、医学的には無いんですよ」と長西先生。

「最近何でも冷えのせいにする傾向がありますが、人間の体温というのは、だいたい誰でも36度くらい。手足の末端などは血管が細いため、冬になると毛細血管が収縮して血行が悪くなり冷えやすくなるのは確かですが、それくらいで体を壊しやすくなるということはありません」

もし生理痛がひどくて悩んでいるなら、冷え性を気にする前に、婦人科を受診することが大切なんですね。

(相馬由子)

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