シャンプー、化粧品、食べ物…などからの影響は?

食べ物が影響?羊水を巡る噂の真相

2015.01.21 WED


羊水は、様々な重要な役割を担っているのですね。さらに、胎児がお腹の中で羊水を飲んで循環させているとは驚きです。人間の体って、ほんと不思議です 画像提供/わたなべ りょう / PIXTA(ピクスタ)
妊娠後、子宮の中で赤ちゃんは羊水に浮いた状態で成長していきますよね。その羊水に、母親が使うシャンプーのにおいが移るという噂を聞いたことはないでしょうか? 「そんなワケないだろう!」と思いつつも、経皮毒(皮膚から有害物質を吸収してしまうこと)なんて言葉もあるので、イーク表参道・丸の内の産婦人科医・長西美和先生に真相を聞いてみました。

「シャンプーはもちろん、化粧品など体につけるものから羊水が影響を受けることはありません」と、想像通りの答えが。それでは、毎日口にする食べ物などによる影響は?

「食べ物による影響も無いですね。体につけるものや食べ物によって羊水の成分が変化し、母体や赤ちゃんに影響を及ぼすことはありません」

きっぱり否定してもらったことによって、長年のモヤモヤがすっきりしました。これまで多くの妊婦さんの出産に立ち会ってきた長西先生いわく、「においはみんな同じです」とのこと。羊水には、ブドウ糖やアミノ酸、たんぱく質、脂質などに加え、赤ちゃんの皮膚の細胞やおしっこなども含まれていて、においはどんな妊婦さんでも「生臭い」んだそうです。

なお、人によって違いがあるのは成分ではなく羊水の量なんだそう。その量を知ることで、母親や胎児の病気などを知ることができるのだとか。

「羊水の量は重要で、妊婦健診の時にチェックします。超音波検査によって、おおよその量を知ることができるんです。赤ちゃんは、羊水を飲んでそれをおしっことして出すことを繰り返し、循環させていますが、もし赤ちゃんの腎臓などに障害があり、尿をうまく出せないと羊水の量は減り、逆にうまく飲み込めないと羊水の量は増えます。また、妊娠中に分泌されるホルモンが原因で血糖値が上昇しやすくなっておこる妊娠糖尿病に母親がかかると、羊水の量が増えるんです」

羊水が一定量に保たれているかどうかは、お母さんや赤ちゃんの健康の目安でもあるのですね。さらに、胎児を守るためにも、羊水の量が保たれていることは重要なのだとか。

「妊娠中の子宮の中では、羊膜に包まれた羊水の中に赤ちゃんを浮かせることで、水風船の中にいるような状態を作っています。外から衝撃が加わっても羊水が衝撃を吸収し、出産が近づいた時には、子宮の収縮が赤ちゃんに直接伝わるのを防いでくれます。量が少ないとクッションの機能が不十分になるほか、陣痛が始まった時に、へその緒が子宮の壁と赤ちゃんの間に挟まれて、赤ちゃんに十分な酸素が運ばれず心拍数が下がる恐れもあります。赤ちゃんの体温が一定に保たれているのも、羊水のおかげです」

赤ちゃんが元気に育つために、羊水はいわば「命の水」ともいうべき存在。神経質になる必要はありませんが、妊娠したら、体重や血糖値などの基本的な健康管理は、しっかり行うよう心がけましょうね。

(相馬由子)

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