原料高、円安でバレンタインに忍び寄る不安?

カカオ豆価格8割高!義理チョコ危機

2015.01.28 WED


「ガーナに駐在している人の話によれば、現地ではエボラ騒動による混乱はなく、通常どおり生産が行われているとのことでした」(平野さん)
もうすぐバレンタインとあって、チョコレートに関する甘~い話題が目白押しだ。でも、その一方で、昨年7月に日本の大手菓子メーカーがチョコレート菓子の実質値上げに踏み切るなど、チョコレートを取り巻く環境はほろ苦い様子も…。

なぜ最近、チョコレートの価格が上がっているのだろうか? 日本チョコレート・ココア協会の平野清巳さんに聞いてみた。

「その理由は、カカオ豆の国際相場の上昇と円安にあります。実は、2013~14年にかけて、チョコレートの原料となるカカオ豆の価格が大きく上昇しました。その背景には、カカオ豆生産国での将来的な供給不足懸念と、それによる相場上昇から利益を得ようとする投機筋の買い(投機マネー)が市場に流入したことがあります。さらに、昨年はエボラ出血熱が西アフリカでまん延し、カカオ豆の生産地がその影響を受けるのでは? との懸念が相場を上昇させました」

実際には、カカオ豆の最大生産国のコートジボワールや、日本のカカオ豆輸入の約8割を占めるガーナは、エボラ出血熱の発生地域ではない。しかしコートジボワールに隣接するリベリアをはじめ、周辺国で流行したため、不安が高まったのだ。

「また、相場の上昇に加えて、2014年後半から円安が進行したことで、円換算での日本のカカオ豆輸入価格は2013年の初めに比べると、2014年末で約80%上昇しました。日本のチョコレートの原料は、カカオ豆以外にも砂糖や乳製品などが使われており、これらも輸入品に頼っています。原料高と円安が続けば、メーカーの企業努力だけでは吸収できなくなり、今後も価格がを上げていく可能性もあります」

さらに、新興国などの成長にともない、チョコレートの需要拡大でカカオ豆が不足しているというニュースもあった。もしかして、この影響も?

「確かに2013年のチョコレート産業会議では、今後カカオ豆が大幅に不足すると予想されていました。しかし、昨年11月にICCO(国際ココア機関)が発表した最新受給データによれば、5万3000トンの供給余剰に転じると修正しています。そして、ICCOは業界に対してカカオ豆が大幅に不足するようなことは起こらないだろうとの声明を出しています」

とはいえ、ICCOは天候や治安、景気などを考慮すると、長い目で見ればカカオ豆の国際相場は今後も緩やかに上昇していくと見通しているようだ。

今年のバレンタインは、すでに昨年の段階でチョコレート価格などを設定しているそうなので、直前に急騰! なんてことにはならないそう。でも、義理チョコを期待している男性陣は、今後は数が減ることを覚悟したほうがいいかも?
(南澤悠佳/ノオト)

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